1996 Fiscal Year Annual Research Report
非漢字系日本語学習者の漢字情報処理特性に関する研究
Project/Area Number |
07680304
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
高木 裕子 山形大学, 教育学部, 助教授 (80241165)
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Keywords | 漢字情報処理特性 / 漢字情報処理過程 / 記憶 / 認知 / 視覚 / 注意 / 非漢字系日本語学習者 |
Research Abstract |
本研究は、非漢字系日本語学習によって行われる漢字の構成素に対する認識の方法を具体化し、その種類を明らかにすることを目的に、非漢字系日本語学習者の漢字情報処理特性を知り、情報処理メカニズム解明のためのモデルを作成することであった。これまでに文献的方法、及び実験と調査によって、以下の点を明らかにしている。また、同時に教育実践も行い、その実践例も紹介している。(成果は、[図書]) 1.研究での理論の枠組みを構築し、実験に先立つ仮説を導くために、これまで公表された日本語教育での漢字研究での成果やこれに関連した他分野の研究を整理し、研究の方向性を見定めると共に、解決されるべき問題点と実験のあり方を明確にした。ここでの結論は、非漢字系日本語学習者の漢字情報処理特性を知るには、学習者が自律(立)的に学習していけることを目指して、記憶の問題との関連から検討していくことが必要で、かつ、漢字の構造に関わる機能がどのように非漢字系日本語学習者の認識と係わり、獲得された漢字の情報はどのような過程を経て統合されていくのかを知ることである。(成果は、研究発表1番、2番、3番) 2.人間の視点のあり方と視覚の関係、及び注意に伴う視点の働きが認識や記憶とどう係わるかを明らかにする目的で実験を行い、結果からその後の漢字学習への影響を予測した。実験の結果からは、視点のあり方や働き方が刺激に影響を及ぼし、刺激の認識や記憶は、刺激の位置と刺激が特徴的か意味を有するものなのかによっても異なることが分かった。さらに、注意と認識、記憶の関係や視覚が記憶にどの程度関与するものなのかも分かった。(成果は、研究発表4番と5番)
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[Publications] 高木裕子: "非漢字系日本語学習者の漢字記憶法を考える" 関西外国語大学留学生別科 日本語教育論集. 第5号. 51-78 (1995)
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[Publications] 高木裕子: "漢字学習におけるメタ認知的スキルの整理と問題点" 第5回小出記念日本語教育研究会予稿集. 19-27 (1996)
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[Publications] 高木裕子: "漢字の学習機構と漢字記憶法に係わる問題" 第5回小出記念日本語教育研究会論集. 49-62 (1996)
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[Publications] 高木裕子: "知覚と認知の問題が漢字学習に与える影響" 日本語教育方法研究会誌. Vol.3No.1. 20-21 (1996)
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[Publications] 高木裕子: "視覚情報による知覚過程の問題が後続の漢字学習に及ぼす影響" 東北大学留学生センター紀要. 第3号. (1997)
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[Publications] 高木裕子: "ボランティア教室での漢字教育の試み(仮題)" 月刊日本語. 7月号. (1997)
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[Publications] 日本語ボランティア講座編集委員会: "いま!日本語ボランティア「日本語ボランティア講座(山形)」" 凡人社, 280 (1996)
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[Publications] 高木裕子: "日本語トレーニングマニュアル(6)日本語の文字・表記入門" バベル・プレス, 160 (1996)