1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07680344
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
笠井 琢美 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (70027382)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 浩一 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (00246662)
岩田 茂樹 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (80102028)
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Keywords | 計算量 / 完全問題 / グラフアルゴリズム / 構文解析 / 機械翻訳 |
Research Abstract |
低いレベルの計算量クラス(多項式時間計算量)については、当初予測していたような、計算量の測度となる完全問題をあまり発現することができなかった。その理由は、現在の計算論理論で用いられる計算モデルが、将来も安定した普遍的なモデルであるといえないことと、多項式時間計算可能な問題に対するアルゴリズムの多様性にある。(この種の理論の枠内に於いては、NP完全問題に対し、あるパラメータkを固定したFixed Parameter Tractabilityに対し、1つの結果を得ることができた。)言い換えると、現在の計算機(モデル)で得られる計算量の低いレベルの下界は、並列アルゴリズムとか、ランダムアルゴリズムなどを考慮しても、普遍的な安定した量とは見なしにくい点にある。したがって、低いレベルの計算量の研究に於いて、視点を完全問題ではなく、問題のクラスの定性的な解析に移した。 山崎はグラフアルゴリズムの解析を、グラフ文法の観点から、また学習理論の観点から解析した。特に、あるグラフのクラスの同型問題がFixed Parameter Tractableであることを示した。笠井は、自然言語解析のアルゴリズムについて考案した。特に、構文解析木の新しい表現方法である“左右木"とよばれる概念を導入し、その性質を明らかにした。この解析アルゴリズムとして、PD変換機というクラスを導入している。また最近は木変換の合成問題を扱っている。得られた結果は、完全問題という形で形式化することは(現在の時点では)できないが、個々の問題に対する結果ではなく、応用範囲の広い問題のクラスに関する結果であり、一種の完全問題を表わすと言ってもよい。(研究発表の黒川、藤芳は笠井研の大学院生である)
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 黒川浩一: "機械翻訳のための新しい木構造,左右木について" 電子情報通信学会論文誌 分冊DI. (掲載予定).
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[Publications] 黒川浩一: "自動翻訳システムにおける新しい木構造の導入" 京都大学・数理科学講究録. 906. 264-271 (1995)
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[Publications] 藤芳明生: "多段階木変換機について" 京都大学・数理科学講究録. (掲載予定).
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[Publications] Y.Yamazaki: "A hierarehy the class of apex NLC graph languages by bounds on the number of monter mind naxes in productions" Actu Informatica. (to appear).
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[Publications] Y.Yamazaki: "A normal form problem for the unlabeled boundary NLC graph languages" Infrom.Comput.120. 1-10 (1995)
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[Publications] S.Tani: "Learning of restricted RNLC graph languages" LNCS(Lecture Notes in Computer Science). 1004. 171-180 (1995)