1995 Fiscal Year Annual Research Report
関数型言語のユーザインターフェースに関する基礎的研究
Project/Area Number |
07680352
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
稲垣 康善 名古屋大学, 工学部, 教授 (10023079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河口 信夫 名古屋大学, 工学部, 助手 (10273286)
山本 晋一郎 名古屋大学, 工学部, 助手 (40240098)
結縁 祥治 名古屋大学, 工学部, 助手 (70230612)
坂部 俊樹 名古屋大学, 工学部, 教授 (60111829)
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Keywords | 視覚化 / ユーザインターフェース / 関数型言語 / プログラミング環境 |
Research Abstract |
本研究は、信頼性の高いソフトウェアを効率よく作成するための環境の開発を目的とする。そのアプローチとしては、形式的言語を対象とし、その計算に関する諸々の状況の視覚化とそのためのユーザインターフェースをプログラミング環境に導入するという手法をとった。 まず、計算機による形式的な検証を行うことが可能な関数型言語として項書換え計算モデルを採用した。その上で、我々は書換えモデルの計算の理解に必要な情報を検討し、項、計算、情報、操作の4種類の視覚化を形式化した。この形式化に基づいてグラフィカルユーザインターフェースを作成すると共に、プログラムの検証や動作の直観的理解を行うための視覚的プログラミング支援手法を提案した。 次に、この視覚的支援手法に基づき、項書換え計算モデルのためのプログラミング環境を作成した。実現のためのプラットフォームとして、関数型言語SMLおよびeXeneライブラリを採用し、SVCモデルを用いた詳細なモデル化により、変更や修正が容易な視覚的支援環境TERSE(TErm Rewriting Support Environment)を実現した。 この実現により、本研究の当初の目的である、(1)プログラマが前提として必要とする知識を減らす、(2)プログラムの動作の直観的理解を促す、(3)プログラムの誤りの発見を容易にする、という項目のうち、(2)、(3)を達成したことを確認した。 (1)については、プログラマが必要とする知識の一部は環境によって補われてはいるが、不十分である。より多くの情報を用い、知的な支援を行うことが今後の課題として挙げられる。
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[Publications] 河口 信夫: "項書換え系の解析・検証・変換のための視覚的支援手法" コンピュータソフトウェア. 13. 23-36 (1996)
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[Publications] 河口 信夫: "関数型プログラミング言語Standard MLを用いた項書換え計算の視覚化の実現" 電気学会論文誌C. 116-C. 103-110 (1996)
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[Publications] 河口 信夫: "項書換え系における再帰経路順序の視覚化" 電気関係学会東海支部連合大会講演論文集. 637-637 (1995)
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[Publications] N.Kawaguchi: "TERSE : A Visual Environment for Supporting Analysis,Verification and Transformation of Term Rewriting Systems" Proc.of AMAST'96. (to appear). (1996)