1996 Fiscal Year Annual Research Report
部分計算法を応用した逐次型プロセスの並列化についての研究
Project/Area Number |
07680359
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
村上 昌己 岡山大学, 工学部, 助教授 (60239499)
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Keywords | モ-バイルプロセス / 表示的意味論 / C-双模倣性 / π計算 |
Research Abstract |
本研究では、特に逐次型プロセスの並列化の際に、変換手法の基礎となるモ-バイルなプロセスの等価性及び形式的意味論についての研究を行った. 等価関係の研究では、標準的なラベル付き遷移システムを用いた操作的意味論をもつπ計算の体系について、C-双模倣の概念を定義し、それを用いて定義される等価関係の性質について研究を行った.ここで提案したC-双模倣性は、従来の古典的な双模倣性の拡張である.すなわち関係RがC-双模倣性であるとは、Rが成立しているふたつのプロセスについて、任意の動作についてだけでなく、動作の対についても一方が実行できるなら、もう一方も同じ対を実行してRの関係を保存できることを意味する.ここではC-双模倣にもとづいてC-双模倣等価性を定義し、特にprefix演算についての合同性について述べた. また形式的意味論の研究では、π計算のサブセットによって定義されるモ-バイルプロセスの非インターリービングな表示的意味論のための領域について研究を行った.この研究ではDBS(dual bracket structures)の領域を新たに定義した.DBSは半順序付けられた事象、プロセスの枝分かれ情報を含む集まりである.半順序関係は、事象の間の因果関係をあらわす.プロセスの分岐情報は、入れ子になった2種類の括弧記号を使って表現している.さらにπ計算のサブセットからDBSの領域への意味写像を与えている.
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[Publications] 村上昌己: "モ-バイルプロセスの観測合同について" 情報処理学会研究報告. Vol.96,No.33. (1996)
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[Publications] 村上昌己: "A Domain for True Concurront Semantics of Mobile Processes" 京都大学数理解析研究講究録. (発表予定).