1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07680417
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
小淵 洋一 龍谷大学, 理工学部, 教授 (60025450)
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Keywords | 多素子系 / ニューラル・ネットワーク / 論理回路網 / リヤプノフ関数 / 非対称ニューラル・ネットワーク |
Research Abstract |
多素子系とは多数の要素素子から構成され、それぞれの要素間の情報のやり取りや相互作用によってシステム全体の動作・機能が定められる複雑系であるが、ここでは、ニューラル・ネットワーク、論理回路網、多値論理回路網を考える。各システムの状態配列に対して実数値を対応させる状態関数がそのシステムのエネルギー関数(一般にリヤプノフ関数と呼ばれる)であるとは、状態遷移にともなって、関数値が増加しない場合である。対称あるいは擬対称な重みを持つニューラル・ネットワークに2次のエネルギー関数が存在することが知られている。(Hopfield, 1982; Kobuchi, 1991)これら従来のエネルギー関数の制約を越えより一般的なエネルギー関数の存在条件とその関数形を求めることが本研究の目的である。まず、ニューラル・ネットワークの枠組みの中で、従来とは異なるエネルギー関数を持つ場合を発見しようとした。即ち、素子間の結合重みが対称でない場合で、大域的状態遷移に周期構造が存在しない状況がどのようにして生じるかを調べるため、3素子からなるニューラル・ネットワークについて網羅的に状態遷移を調べ、本質的に非対称の重みを持ちエネルギー関数が存在する8種類のタイプを見い出した。この時のエネルギー関数は3次の状態関数にかっており、直接的には“対照的"な2次の論理回路網として表現されるものが非対称な1次関数(即ち、しきい値素子)で表されていることなる。さらに、ニューラル・ネットワークを拡張した論理回路網モデルや多値論理回路網モデルについても同様の考え方で、エネルギー関数の存在条件を検討する予定である。
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