1996 Fiscal Year Annual Research Report
投入産出構造の動学モデルと国際経済協力関係分析への応用に関する研究
Project/Area Number |
07680467
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岩本 誠一 九州大学, 経済学部, 教授 (90037284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 達 九州大学, 経済学部, 教授 (20145808)
時永 祥三 九州大学, 経済学部, 教授 (30124134)
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Keywords | 動学モデル / ファジィ環境 / 不完備情報 |
Research Abstract |
本研究においては、日本経済の国際化・グローバル化をハイテク技術開発体制の構成とその基盤整備という視点から数理経済分析をすすめてきており、国際産業関連表によるアジアと日本との経済的連関について計量分析を実施した。また、方法論として動的計画法を中心とした動学的最適化手法の理論的整備を行ってきた。 この結果、日本経済の国際化、国際関係を投入産出構造への動学モデルの導入により解明する方法を基本として解析をすすめることができるとわかった。国際産業連関表を基礎として、各国の国民経済レベル、産業政策についての数理モデルを推定し、ダイナミックスとして統合的に記述する方法論を開発できる見通しを得られた。全体を動ファジィ環境下における動学的計画問題と記述し、最適化の視点から、不変埋没原理を応用してその最適解の構成をおこなってきた。 1 平成7年度の研究内容については、ほぼ計画通りに進行していると言える。方法論としては、データベース作成、統計解析やモデル構成のためにワークステーション、増設ディスクを利用してきた。さらに、このモデルの頑健性、感度分析を進める見通しが得られた。 平成8年度については、 2 経済発展、国際関係に含まれる不確実性をファジィネスを含んだ確率過程により定式化する方法論を開発し、数理モデル解析における不完備情報の整備をはかった。産業関連データや各種の経済データについて統計的手法を基礎としながら、その整合性や補間の作業をすすめてきた(岩本、中井)。 産業連関表データ、国民経済データなどに必要なデータを管理するシステムを開発し、このソフトウェアとして動学モデル解析システムを組み込み、さらに、ダイナミックスをより説得力あるものを表現するための各種グラフィックスを開発をおこなった(時永)。
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[Publications] 岩本誠一: "ファジィ環境下の確率的意志決定過程-ベルマン・ザデ-との比較-" 経済学研究(九大経済学会). 62巻全号. 349-365 (1996)
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[Publications] 岩本誠一: "Constrained sums" 数理研講究録945「最適化の数理における離散と連続構造」. 163-172 (1996)
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[Publications] 岩本誠一: "ファジィ動的計画法" 日本ファジィ学会編「ソフトコンピューティング用語集」. 42 (1996)
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[Publications] 岩本誠一: "多段意志決定過程:加法型評価系" (児玉・岩本編)「マルチメディア環境と経済学」. 181-204 (1996)
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[Publications] S.Iwamoto: "Associative dynamic programming" J.Math.Anal.Appl.201,No.1. 195-211 (1996)
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[Publications] 中井達: "確率的順序関係と学習プロセスについて" 経済学研究(九大経済学会). 62巻全号. 465-486 (1996)
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[Publications] 中井達: "一度に複数個の対象が現れる確率的な逐次割当てモデル-不完備情報" 経済学研究(九大経済学会). 63巻2号. 25-36 (1996)
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[Publications] 時永祥三: "EUにおける情報通信の現状と課題" 経済学研究(九大経済学会). 61巻5・6号. 19-50 (1995)
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[Publications] 時永祥三: "応用一般均衡分析による情報セクター解析" オフィス・オートメーション. 16巻2号. 150-153 (1995)
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[Publications] 時永祥三: "マルチメディア環境とプライバシー" 経済学研究(九大経済学会). 63巻1号. 1-27 (1996)
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[Publications] 時永祥三: "企業のグローバル戦略と情報通信" (太田編)「社会情報システム学・序説」. 197-212 (1996)
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[Publications] S.Tokinaga: "Forecasting the stock option prices using the fractal geometry and its application" Proc.of 2nd Int.Conf.on OA & Infor.Manage.245-248 (1996)
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[Publications] 時永祥三: "スケール伸長変換およびウェーブレット変換によるパラメータ推定を用いたフラクタル時系列の予測" 電子情報通信学会誌A. J79-A,No.12. 2054-2062 (1996)