1995 Fiscal Year Annual Research Report
視覚障害者のVDT作業の実態と新しい作業補助装置に関する研究
Project/Area Number |
07680473
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
大倉 元宏 成蹊大学, 工学部, 助教授 (30119341)
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Keywords | 視覚障害者 / VDT作業 / 作業補助装置 |
Research Abstract |
コンピュータを仕事やコミュニケーションの道具として使用している視覚障害者は多い。そのなかでも、残存視覚が利用できる、いわゆる弱視とよばれている人々は、健常者と同じVDT機器を使うが、その作業実態に関してはほとんど知られていないのが現状である。 そこで当該年度は、本研究の第一ステップとして、VDT作業に従事する8名の弱視者を対象に人間工学的視点から現場調査を実施した。主な調査項目は、実作業の観察、作業場の光環境およびレイアウト計測であった。 調査の結果から、1)表示文字の拡大機能が備わっていないVDTの使用には大きな因難が伴うこと、2)VDTは高発光輝度、高コントラスト比で使用されていること、3)VDT機器以外にVDT表示文字拡大装置、拡大読書器、音声合成器などの作業補助具を使用するため十分な作業スペースが確保できないこと、4)文書入力ではVDTと拡大読書器を交互に見る必要があり、それが作業効率と作業負担に負の影響を及ぼしていること、などが明らかとなった。 そこでまず4番目の問題に注目し、そこにおける不備を解消できる作業補助装置の試作に着手した。その補助装置は、コンピュータ画面と拡大読書器画面を一つのVDT上に上下二分割して表示する装置と拡大読書器の原稿台をフットスイッチにより自動的に送る装置から構成される。プロトタイプは完成したが、その評価、改良が次年度以降の課題となる。
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