1996 Fiscal Year Annual Research Report
高波の継続時間を考慮した波高の極値推定法に関する研究
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07680491
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
畑田 佳男 愛媛大学, 工学部, 助手 (00164848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 正隆 愛媛大学, 工学部, 教授 (60027266)
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Keywords | 継続時間分布 / 長期資料分布 / 極大値分布 / 継続時間発生数 / Weibull分布 / 回帰モデル / モンテカルロシミュレーション / 母数推定法 |
Research Abstract |
1.畑田は山口と協力して、わが国沿岸および周辺海域での長期波高資料に対する再度の統計解析と、わが国沿岸23灯台で16〜34年間にわたり6時間ごとに取得された長期風速観測資料の新たな統計解析を行い、これに基づいて(1)わが国沿岸における波候・風候特性量は、粗い近似では相似構造をもち、この結果、地域、季節によらず、波高あるいは風速の無次元分散および無次元基準値を説明変数とする回帰式により比較的精度よく推定されること、(2)わが国沿岸任意地点における、継続時間を考慮した極大波高あるいは風速の再現期間の概略値が各回帰式の乗算によって推定できること、(3)本研究のモデルおよびNMIモデルは同一のパラメータ依存性をもつが、観測時間間隔や資料解析における継続期間の定義法が異なるため、平均継続時間の推定結果に相違が現れること、を明らかにした。 2.山口は、波候・風候特性量の統計解析で使用するWeibull分布を含む、合計8種類の理論確率分布について母数推定法や分散推定法の精度を大規模なモンテカルロシミュレーションに基づいて考察することにより、(1)jackknife法は確率分布や母数推定法によらず、biss補正法および分散推定法として有効であること、(2)各理論分布に対して最適な母数推定法が異なること、(3)最尤法は資料数が多い場合にはbiasおよび分散の観点から有用な方法であり、波候・風候解析に有効であること、(4)現行の最小2乗法は分散の推定精度に問題を有すること、を示し、さらに、新しい極値統計解析システムを提案した。 3.山口は畑田の協力を得て、太平洋岸および日本海沿岸多地点における10年に及ぶ長期波浪追算資料を作成した。現在、資料の精度を検討中であり、これが終了しだい、継続時間解析にとりかかる予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 山口正隆: "波高の極値統計解析システムとその適用" 愛媛大学工学部紀要. 15. 301-317 (1996)
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[Publications] 山口正隆: "最小2乗法に基づく極値統計解析システムの精度の検討" 海岸工学論文集. 43. 231-235 (1996)
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[Publications] 山口正隆: "継続時間を考慮した強風の再現期間推定法" 愛媛大学工学部紀要. 16. 373-386 (1997)
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[Publications] 山口正隆: "波高の極値統計解析モデルの精度の検討" 愛媛大学工学部紀要. 16. 387-400 (1997)