1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07680512
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
藤田 寛治 佐賀大学, 理工学部, 教授 (10038086)
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Keywords | SF_6プラズマ / ECRプラズマ / 二次元速度分布関数 / 負イオン / ホロープローブ / 方向性イオンエネルギーアナライザー |
Research Abstract |
プロセス用プラズマとして広く用いられているECRマイクロ波プラズマを対象に、シングルプローブ、キャピラリープレートを用いた方向性イオンエネルギーアナライザー等を用いて荷電粒子の空間分布や、プロセス結果に大きな影響を与えるイオンの挙動について観測を行い、次のような結果を得た。 1.発散磁界配位における低気圧Arプラズマ中での二次元速度空間内のイオンの速度分布関数を明らかにした。その結果、発散磁界内でイオンは次第にビーム成分を持つようになり、その方向は容器の中心軸から離れるに従って軸方向に対して傾きを持つことが分かった。本研究で使用した装置内では、このイオンの速度の傾きは10〜20度程度の値を示しており、この値は異方性エッチング等のプロセスを行う際に無視できない値であると思われる。 また本研究において、新たな試みとしてイオンの挙動の観測にホロープローブを用いたが、その結果は従来形のエネルギーアナライザーによる観測結果と矛盾しないことがわかった。従って、このプローブが簡便なイオンの速度の検出法としての可能性を有し、新しい測定法として定着するものと期待できる。 2.Arガスに代えてSF_6プラズマを発生させ、容器の中心軸上における荷電粒子密度やプローブに流入する正電荷飽和電流と負電荷飽和電流の比の分布を測定した結果、発生したプラズマ中には拡散にしたがって負イオンが発生していることが示唆された。ガス圧力を0.3mTorr〜1.2mTorrの範囲で変化させて実験を行った結果、負電荷中の負イオンの存在割合が顕著に増加する位置が、圧力の増加とともにECR点に近づくことが明らかになった。負イオン量はプラズマパラメータを変化させ、結果的にプロセス結果に影響を与えるパラメータであることから、プロセスを行う際の基板の位置は、プラズマを発生させる圧力によりその最適位置が変化することが予想される。
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[Publications] 浅野一博: "発散型磁界ECRSF6プラズマのプローブ測定" 電気学会プラズマ研究会資料. 87-95 (1995)
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[Publications] 木下晃一: "マイクロ波放電プラズマにおけるホロープローブ特性" 電気学会放電研究会資料. 47-56 (1995)
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[Publications] 大川和栄: "プローブによるSF6ECRマイクロ波プラズマ中の負イオンの観測" 応用物理学会九州支部講演会 講演予稿集. 21. 90 (1995)
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[Publications] 栃谷 元: "ECRマイクロ波SF_6プラズマにおける負電荷の拡散過程" 第13回プラズマプロセシング研究会プロシ-ディングス. 13. 171-174 (1996)
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[Publications] 大津康徳: "ホロープローブによるイオンビームの検出" 第13回プラズマプロセシング研究会プロシ-ディングス. 13. 455-458 (1996)
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[Publications] 栃谷 元: "高周波放電およびマイクロ波放電による負イオンプラズマのプローブ計測" 電気学会放電研究会資料. 117-124 (1996)