1995 Fiscal Year Annual Research Report
キャビトンにより生じるプラズマ電気二重層の発生機構に関する実験的研究
Project/Area Number |
07680515
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
谷川 隆夫 東海大学, 開発技術研究所, 助教授 (70207174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 良治 文部省, 宇宙科学研究所, 助教授 (20013708)
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Keywords | キャビトン / プラズマ電気二重層 / ラングミュア擾乱 / 共鳴吸収現象 / マイクロ波プラズマ相互作用 / プラズマ非線形現象 |
Research Abstract |
1.キャビトンとは、プラズマ中の高周波振動(ラングミュア波)の包絡ソリトンの一種とも言える局在化したプラズマ非線形波動である。非線形効果(ポンデロモ-ティブ力)により生じる低密度部位に高周波振動が捕捉されていることが特徴である。強いラングミュア擾乱現象において、キャビトンが本質的な役割を果たしていることが知られている。 2.密度勾配のあるプラズマ中に、低密度側より大出力マイクロ波(周波数3GHz,最大ピーク電力60kW)を短パルス(約1μs)で入射すると、共鳴点(n〜10^<11>cm^<-3>)にキャビトンを生成することが出来る。キャビトン生成に伴い、共鳴点近くに静電電気二重層が発生することを発見した。 3.キャビトンの生成に伴い、まず低密度部位に対応して浅い負のポテンシャル・ディップがキャビトンの位置に生じる。この負のポテンシャル・ディップ部位によりバックグラウンドのプラズマ電子が両方向に反射されるようになり、時間の経過とともに電気二重層様のポテンシャル構造に発展することを観測した。 4.プラズマ粒子の分布関数の様子は、基本的に観測されたポテンシャル構造と矛盾しない。しかしながら、今後さらに様々な異なる条件下で詳細な測定を繰り返し、電気二重層の発生機構の詳細を実験的に解明して行く計画である。 5.電気二重層様のポテンシャル差は、マイクロ波の入射時点から0.5μs経過したあたりでほぼ飽和すること、マイクロ波のピーク入射電力にほぼ比例することを見出している。 6.粒子モデルによるコンピューター・シミュレーションも実施中であるが、今後その結果を詳しく実験結果と比較検討して行く計画である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T. Tanikawa: "Double Layer-Like Potential structure in a Microwave-Plasma System" スペース・プラズマ研究会. 53-56 (1995)
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[Publications] 谷川隆夫: "スキャニング・リオメータによる電離層加熱実験領域の測定" スペース・プラズマ研究会. 49-52 (1995)
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[Publications] Takao Tanikawa: "Relationship between the Dielectric Response Function for Plasmas and the Kramers-Kronig Relations" 東海大学紀要開発工学部. 4. 103-112 (1995)
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[Publications] Y. Nakamura: "Solitary Waves in an Ion-Beam-Plasma System" Journal of Plasma Physics. 53. 235-244 (1995)
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[Publications] P. K. Shukla: "Nonlinear Coupling between Fast and Slow Dust-Acoustic Waves" Journal of Physical Society of Japan. 64. 2278-2281 (1995)
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[Publications] H. Bailung: "Propagation of Solitary Ion Wavepackets in Multi-Component Plasma with Negative Ions" Chaos, Solitons and Fractals. 7. 21-24 (1996)