1995 Fiscal Year Annual Research Report
ダストプラズマのダイナミックスと構造形成のシミュレーション研究
Project/Area Number |
07680519
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
渡邉 國彦 核融合科学研究所, 理論・シミュレーション研究センター, 助教授 (40220876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 進 核融合科学研究所, 理論・シミュレーション研究センター, 助手 (30280598)
渡邉 智彦 核融合科学研究所, 理論・シミュレーション研究センター, 助手 (30260053)
堀内 利得 核融合科学研究所, 理論・シミュレーション研究センター, 助教授 (00229220)
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Keywords | ダストプラズマ / 自己組織化 / シミュレーション / 秩序構造 / 帯電過程 / 結晶化 / 微粒子 |
Research Abstract |
微粒子の帯電に関してこれまでの行われてきたほとんどの研究は、定常状態に関するものであった。これに対して、本研究では、微粒子の帯電効果として、1)微粒子に対して背景プラズマ(主として電子)が付着する効果、2)微粒子が帯電することによって電子の付着確率が変化する効果、3)ある閾値以上のエネルギーを持つ電子が微粒子に衝突した際に2次電子が放出される効果、4)多くの微粒子が存在し、それぞれに電子が付着するために背景プラズマの電子密度が減少する効果、5)背景プラズマの分布関数の特性からくる効果、を考慮にいれた、微粒子のダイナミックな帯電過程のシミュレーションモデルの開発を目指した。そして開発されたモデルに基づきシミュレーションを実行した結果、微粒子が徐々に帯電していく過程、更に、定常理論において帯電状態の解の二重性から予測されていた、2次電子の放出効果によってフリップ・フロップ的に負の帯電状態から正の帯電状態、あるいはその逆過程が起きる様子を初めて時間発展的に示すことに成功した。この成果によって、従来の、負に帯電した微粒子を負のポテンシャル壁の中に閉じ込めるのではなく、正に帯電した微粒子の存在があって初めて成し得る一般的かつ実際的な構造形成を解明する見通しをつけることがきでた。 次に、このモデル化された帯電過程を取り入れ、しかも、微粒子同士が衝突・融合して微粒子の帯電状態、質量、個数が変化することを考慮にいれた、多くの微粒子に対する粒子シミュレーションコードの開発・テストランを行った。その結果、帯電状態を変えながら微粒子が移動していき、背景プラズマ等の条件によっては一部結晶化が見られるなどの、構造形成に関する興味ある結果が得られつつあり、現在、様々なパラメータ下におけるシミュレーションを実行しているところである。
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[Publications] Tetsuya Sato: "Kinetic Self-Organization:Creation of Super Ion-Acoustic Double Layer21GC01:Physics of Plasmas" 2. 3609-3613 (1995)
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[Publications] Mohammad Salimullah: "Modification and Damping of Alfven Waves in a Magnetized Dusty Plasma21GC02:Journal of Physical Society of Japan" 64. 3758-3766 (1995)
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[Publications] Tetsuya Sato: "Complexity in Plasma:from Self-Organization to Geodynamo" Physics of Plasmas. 3. (1996)