1996 Fiscal Year Annual Research Report
高速処理のための重水減速軟熱中性子場中でのアクチニド核の反応率の測定
Project/Area Number |
07680520
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岩崎 智彦 東北大学, 工学部, 助手 (70184869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松山 成男 東北大学, 工学部, 助手 (70219525)
林 正俊 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (20027444)
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Keywords | 消滅処理 / 重水 / ネプチニウム / 中性子束 / 臨界集合体 |
Research Abstract |
本研究では、MA専焼炉の一つとして研究されている重水減速型炉心の核特性に関する研究を、京都大学原子炉実験所臨界集合体(KUCA)において重水減速炉を作成して実施した。本研究で取得した実験データは、複数の重水厚さに対する増倍率変化、重水タンク深さ依存の中性子束分布及びNp-237の捕獲反応率分布である。これら実験データは重水減速型炉心を解析する上で必要不可欠なベンチマークデータとなる。そして、この実験データを利用した、MVPコードとSRAC+CITATIONコードの重水炉心消滅処理研究への適用性の検証研究も実施した。 これらの研究の結果、上記の測定項目に対する高精度の測定データを得た。さらに、本研究用に作成したNp-237サンプルは、試料量の大きさ、一様性から世界有数のサンプルであり、本研究の一つの成果といえる。現在、この試料を利用した実験が京都大学グループ及び大阪大学のグループにより現在実施されている。 一方、この実験データを利用したMVPコードとSRAC+CITATIONコードの対応性の検証研究の成果として、JENDL-3. 2ライブラリを用いたMVPコードによる重水炉心の固有値のC/E値は1.0077であり、1から比較的大きくずれた値となること、並びにMVPコードとSRAC+CITATIONコードともNp捕獲反応率のC/E値は1.2前後を示すこと、そしてそれらは断面積ライブラリーに対する大きく依存すること等が判明した。これらの知見は、MA専焼炉の一つとして研究されている重水減速型炉心の核特性に関する貴重な知見である。
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