1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07680523
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
原 光雄 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (90005918)
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Keywords | シクロペンタジエニル化合物 / 三酸化ウラン(IV) / 四塩化ウラン(IV) / テトラシクロペンタジエニルウラン(IV) / ガス置換型グローブボックス |
Research Abstract |
不活性ガス置換型ステンレス製グローブボックスを設計・製作した。これは本体、側室、グローブボードを個別に真空排気・ガス置換できるものとし、本体には別途に循環冷却水の給排水系と真空排気系を接続して使用できるようにした。また、電気化学的研究におけるシグナルを取り出すために3P電源も設置した。シクロペンタジエニル化合物は微量の水と反応するので、使用する有機溶媒は従来は使用直前に蒸留することにしていたが、上記グローブボックスを使用することにより、実験操作は格段に改善された。シクロペンタジエニル化合物を使用する反応容器や電気化学セルはグローブボックス内に組み込めるように設計・製作した。 二量体のシクロペンタジエンを加熱して解重合し、生成するシクロペンタジエンを蒸留したが、それは室温では再重合するおそれがあるので使用直前まで冷凍庫内に保存した。エーテルにシクロペンタジエンと金属カリウムを加えて反応させ、シクロペンタジエカリウムを合成し、溶媒を除去してから減圧下で保存した。 硝酸ウラニル溶液に過酸化水素を加えて過酸化ウラン(VI)を沈澱させ、濾過し、洗浄した。これを400℃で乾燥させて非晶質三酸化ウランV(I)を調整した。三酸化ウランとヘキサクロロプロペンとの反応で四塩化ウラン(IV)を生成させ、濾過・洗浄して乾燥させた後、減圧下で保存した。今後この四塩化ウランとシクロペンタジエニルカリウムとの反応でテトラシクロペンタジエニルウラン(IV)を合成する予定である。 不活性ガス置換型グローブボックス内は有機物の長時間使用に伴い、清浄な雰囲気を保てなくなるのできめ細かくガス交換を行う必要があったが、使用状況に応じてグローブボックス内を大気圧に対して負圧に保ちながら使用できるようにするため、HEPAフィルターを介して排気系に接続できるよう設計変更し、完成させた。
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