1995 Fiscal Year Annual Research Report
ピコ秒パルスラジオリシス法によるアルカン分解初期過程の研究
Project/Area Number |
07680532
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉田 陽一 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (50210729)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 美弥子 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (10167661)
田川 精一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (80011203)
|
Keywords | 放射線分解初期過程 / ピコ秒パルスラジオリシス / アルカン / ジェミネートイオン再結合 / 電子 / カチオンラジカル / スモルコフスキー方程式 |
Research Abstract |
従来から未解決であったアルカンの放射線分解初期過程を解明するために、アルカン液体中でのピコ秒およびナノ秒パルスラジオリシスを行い、以下のような成果を得た。 ○赤外部および紫外部のピコ秒パルスラジオリシスシステムの整備 ライナックからの高エネルギーピコ秒電子線ビームをアルカンに照射し、生成するアルキルラジカル短寿命中間活性種の挙動を、光過渡吸収として測定するための測定システムの構築を行った。赤外部および紫外部の測定が出来るように、パルスラジオリシスのシステムの一部(特に光源、ミラー・レンズ系等)を改良し、また、専用の分光器及び光検出器を新規に設けた。 ○アルカンの分解過程の測定 アルカンの分解過程を調べるため、カチオンラジカルおよび電子の時間分解ダイナミックスを調べた。特に、分解過程を抑制する添加剤を加えた系で、カチオンラジカルや電子と添加剤の反応性に関する知見を得ることができた。ジェミネートイオン再結合を記述するスモルコフスキー方程式により、結果のシュミレーションを行い、各種の反応速度定数を決定した。 ○アルキルラジカルの生成過程 アルカンの分解に大きく寄与するアルキルラジカルの生成過程の予備的な測定を行った。今後、測定精度の向上を図り、本格的な研究を開始する予定である。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 吉田陽一: "ジェミネート再結合過程および初期空間分布に関する研究" 放射線化学. 60. 38-40 (1995)
-
[Publications] A.Watanabe,M.Matsuda,Y.Yoshida and S Tagawa: "Determination of association constants for cyclodextrin inclusion complexation by pulse radiolysis." Chemistry letters. 775-776 (1995)
-
[Publications] H.Shibata,S.Seki,S.Tagawa,Y.Yoshida and K.Ishigure: "Time-dependent emission spectra from polysilane thin film by MeV ion beams" Nuclear Instruments and Method. B105. 42-45 (1995)