1995 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギー粒子成分をもつプラズマに対する新古典輸送理論の研究
Project/Area Number |
07680544
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
田口 政義 日本大学, 生産工学部, 助教授 (30154959)
|
Keywords | 新古典輸送理論 / 高エネルギー粒子 / ブートストラップ電流 / プラズマ / トカマク / 径方向電場 |
Research Abstract |
本年度行った主な研究は次のとおりである. 1.NBIにより生成される高エネルギー粒子がつくるブートストラップ電流を求めることに成功した.これまでは,既に計算されているα粒子のブートストラップ電流を基にNBIによるブートストラップ電流が評価されてきた.しかし,α粒子が速度空間で等方な分布となるのに対し,NBIにより生成される高エネルギー粒子の分布は非等方なものとなるため,α粒子のブートストラップ電流の評価をNBIの場合に拡張することへの疑問は従来より言われてきた.本研究の結果では,NBIにより生成された高エネルギー粒子のつくるブートストラップ電流の大きさは入射角により著しく変化することが分かった.通常行われている平行入射の場合にはα粒子の理論より評価したものに比べてブートストラップ電流の値は非常に小さくなるが,垂直入射に近づくに従い著しく増大することが分かった.来年度は,このブートストラップ電流を求めた方法を用いて,高速イオンの径方向の輸送係数についても評価することを予定している. 2.1.の研究過程で,分布関数が非等方な速度分布の場合には,従来の新古典輸送理論にはない新しい現象があることが分かった.例えば,バルク粒子に対する新古典輸送理論の場合でも,追加熱などで磁場に平行方向の温度と垂直方向の温度とが異なる"マックスウェル分布"場合には従来の理論を大きく修正する必要が生じる可能性もある.このような観点から,本年度は非等方な温度分布をもつプラズマに対する新古典輸送係数を調べた.その結果,1)T_⊥/T_||(垂直温度/平行温度)の比が大きくなると輸送係数は大きく増大する,2)従来の理論にはない径方向電場に依存する項が現れる,などが分かった.
|
Research Products
(1 results)