1995 Fiscal Year Annual Research Report
イオン選択機能膜チャンネルペプチドの分子設計と構造・機能相関:構造因子のTrpと機能因子のGlu及びLysについての考察
Project/Area Number |
07680634
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
近藤 道男 佐賀大学, 理工学部, 教授 (30039250)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兒玉 浩明 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (80205418)
|
Keywords | グラミシジンAibアナログ / CDスペクトル / 高次構造 / イオンチャンネル / 疎水性自己会合 / 固相ペプチド合成 |
Research Abstract |
イオンチャンネル形成ペプチドの分子間会合とチャンネル構造の安定化に寄与する因子、及びイオン選択性を発現する構造の解明を目的として、生体膜を貫通するに長さのモデルペプチドの合成を試みた。合成は液相法で行った。Aibの縮合は混合酸無水物法、Trp側鎖インドールはホルミル基で保護した。現在、各ペプチド断片まで合成が完了した。さらにペプチドの迅速合成のため、Aib含有膜貫通型のモデルペプチドの固相合成について検討した。合成はアミノ保護基に9-フルオレニルメトキシカルボニル基を用い、縮合剤はウロニウム系のHBTU-HOBtを使用した。縮合後、トリフルオロ酢酸(TFA)で脱保護、脱樹脂を同時に行い、エーテル沈殿により粗ペプチドを得た。合成品はHPLCで確認した。 CD測定はリン酸緩衝液中、トリフルオロエタノール(TFE)中及び、リン脂質膜中で測定した。各アナログは鎖長延長に伴い、ヘリックス含率が増加した。水溶液中で各ペプチドとも両端の数残基を除き、中央部は完全なヘリックス構造をとっていることが推定された。ペプチドの濃度依存性実験から、各アナログは濃度上昇に従い、ヘリックス構造が増加しており、2次構造形成に関して濃度依存性が見られた。また[θ]222/[θ]208の吸収比が1.0〜1.2であり、ヘリックス-ヘリックス相互作用が観察された。中性および酸性のリン脂質からなるリポソームと各ペプチドとの相互作用を検討した結果、長鎖ペプチドはリン脂質膜との相互作用により、水溶液中での自己会合では起こり得なかった高いヘリックス構造形成が見られた。また、リポソーム中のアラメチシンと類似のパターンを示した。 以上の結果からAibを含む長鎖ペプチドは、アラメチシンと同様に、ヘリックスバンドルを形成した分子集合体が、ヘリックス軸を膜平面に対して垂直に配向していることが示された。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] M.Kondo et al.: "A Tetrameric Enkephalin Analog for the Putative Multivalent Interaction with Opioid Receptors" Bull.Chem.Soc.Jpn.68. 3161-3167 (1995)
-
[Publications] N.Shindoh et al.: "New Cysteine Fluorometric Determination for Vegetables and Fruits Based on a Reaction with 2,6-Dichloro-p-benzoquinone and Using Thin-layer Densitometry" Biosci.Biotech.Biochem.59. 108-110 (1995)
-
[Publications] M.J.-Niaraki et al.: "Conformational Studies and Pore-Forming Properties of an α-Aminoisobutyric Acid Analogue of Gramicidin B" J.Chem.Soc.,Perkin Trans 2. 801-808 (1995)
-
[Publications] M.Miyazaki et al.: "Role of the Side Chain Orientation of Phe^3 Residue for the Biological Activity of the Chemotactic Peptide fMLP" Peptide Chemistry 1994. 293-296 (1995)
-
[Publications] T.Yasunaga et al.: "Specificity and Selectivity in Affinity Labeling of Opioid Receptors by Cysteamine-Containing Enkephalin Analogs" Peptide Chemistry 1994. 333-336 (1995)