1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07680643
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Protein Research Foundation |
Principal Investigator |
稲見 薫 財団法人蛋白質研究奨励会, ペプチド研究所, 研究員 (30168413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芝 哲夫 財団法人蛋白質研究奨励会, ペプチド研究所, 所長 (30028089)
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Keywords | ランチオニン / 酵素反応 / ナイシン / 放線菌 / ペプチド |
Research Abstract |
これまでの放線菌、乳酸菌についてのスクリーニングの結果より、放線菌の一種であるStreptomyces kentuckensis AKU 2705菌体抽出物から、ナイシンプロペプチド、アンコベニンプロペプチドなどを基質としてランチオニン含有ペプチドへ変換する基質特異性がブロードな酵素を見出した。菌体抽出物から、硫酸アンモニウム沈殿、セルロースチューブを用いた透析、イオン交換、ゲル濾過などのクロマトグラフィーによる精製を行って、本酵素の単離を完成させた。 次に、本酵素反応の基質要求性を調べるために、短鎖ペプチドとしてナイシンプロペプチド(1-22)および、ナイシンA環ペンタペプチド保護体、また酵素反応に関与すると予想されるSer, Thr残基をD型に置換したナイシンプロペプチド(1-34)を合成し、これらの基質とall-L型ナイシンプロペプチド(1-34)との比較実験を行った。その結果、ナイシンプロペプチド(1-22)からは予想通りランチオニンが生成したが、D型置換ナイシンプロペプチドは酵素反応の基質とはならなかった。意外なことに、ペンタペプチドの反応では、反応のpHをコントロールするだけで、酵素を加えても、加えなくても差異なくランチオニンが生成することが認められ、この基質に関しては非酵素的に反応が進行することがわかった。 このことから、本酵素は分子の大きさを認識し、ある程度以上の長さのペプチドしか基質とはなり得ないこと、D型に置換したナイシンプロペプチド(1-34)の反応から、たとえペプチド鎖が長くても、酵素が反応点の立体構造を認識して酵素基質とならないことが明らかになった。
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Research Products
(1 results)