1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07680650
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
後藤 祐児 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40153770)
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Keywords | 糖タンパク質 / β2-グリコプロテインI / リン脂質 / 酵母 / 核磁気共鳴 / ドメイン構造 / 安定同位体ラベル |
Research Abstract |
β2-グリコプロテインI(β2GPI)は酸性リン脂質膜と特異的に相互作用する塩基小生タンパク質である。近年、全身性エリテマトーデスなどの自己免疫疾患において、β2GPIがコファクターとして作用することが示され、構造と機能の相関が注目されている。β2GPIは5つのドメインから構成されるが、中でも第5ドメインが重要な役割を担っていることが示されている。β2GPIの第5ドメインを大量発現し、その構造と機能を解析した。 1.メタノール資化酵母を用いて、ヒトβ2GPI第5ドメインの大量発現系を構築した。これを用いて、15N、13Cの安定同位体を導入したドメイン5を作製した。多次元核磁気共鳴法(NMR)により、安定同位体標識したドメイン5の立体構造解析を行なった。 2.ドメイン5の構造と安定性を、円二色性、蛍光などを用いて解析した。また、ドメイン5とカルジオリピンを含むリン脂質ベシクルとの相互作用を調べた。ドメイン5は主にβシート構造から構成されるタンパク質であり、トリプトファン残基を含む。リン脂質膜との相互作用によって、タンパク質の構造は変化しないが、トリプトファン残基が埋もれることを示した。たま、Lys77とThr78の間のペプチド結合が選択的に切断されることによって、結合力が大きく低下することを示した。 3.Lys77とThr78の間のペプチド結合が、プラズミンにより選択的に切断されることを明らかにした。生体内でも同様な反応が起きて、β2GPIの機能が制御されていることを示唆した。
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Research Products
(1 results)