1996 Fiscal Year Annual Research Report
HMGタンパク質のDNA結合、転写促進および細胞増殖促進機構の解析
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07680660
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Research Institution | Science University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉田 充輝 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (20005648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白川 仁 東京理科大学, 基礎工学部, 助手 (40206280)
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Keywords | HMG1タンパク質 / 転写促進 / DNA結合性タンパク質 / クロマチン / 表面プラズモン共鳴 / ヌクレオソーム / タンパク質工学 / 染色体 |
Research Abstract |
1.HMG2のDNA結合領域の構造解析:HMG2のcDNAよりドメインAB(AとBがリンカーを挟んで連結した配列)を大腸菌で高発現させ、均一になるまで精製する系を確立した。この系を用いて、同位体で標識した試料を調製し、現在大阪大学蛋白質研究所など3研究機関の協力のもとNMRによる高次構造解析を進行中である。 2.HMG1のDNA結合機構の解析:立体構造保持(疎水性コアを形成する疎水性アミノ酸)やDNAとの結合(塩基性アミノ酸)、インタカレーションに関与すると期待されるアミノ酸残基を部位特異的変異法により他残基に置換したドメインBを大腸菌で高発現させ、精製した。これら変異体とDNAとの相互作用をゲルシフトアッセイ、表面プラズモン共鳴現象を測定するBIAcore装置によって解析したところ、全て変異体で結合能の変化と立体構造の変異が観察された。以上の結果より、これらのアミノ酸の構造保持と結合における重要性を明らかにした。 3.HMG2の標的遺伝子の解析:ラットHMG2 cDNAをクローニングし、その塩基配列をもとに数種のHMG2アンチセンスオリゴヌクレオチドを設計した。これらを細胞内に導入し、細胞内HMG2濃度を低下させる系の確立に成功した。全細胞内でのタンパク質の質的および量的変化を解析したところ、HMGタンパク質の減少に伴って量的に変化する数種のタンパク質の存在が明らかとなった。現在、これらのタンパク質の本質を明らかにすべく、詳細な解析を行なっている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Shirakawa,H.: "Nuclear accumulation of HMG2 protein is mediated by basic regions interspaced with a long DNA-binding sequence,and retention within the nucleus requires the acidic carboxyl-terminus." Biochemistry. 36(in press). (1997)
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[Publications] Sobajima,J.: "Novel autoantigens of perinuclear anti-neutrophil cytoplasmic antibodies (P-ANCA) in ulcerative colitis : non-histone chromosomal proteins,HMG1 and HMG2." Clin.Exp.Immunol.107. 135-140 (1997)
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[Publications] 吉田充輝: "HMGボックスタンパク質による転写複合体の骨格構築" 生化学. 68. 1829-1834 (1996)
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[Publications] Nakamura,Y.: "Identification of DNA-bending and unwinding regions in HMG2" Nucleic Acids Sym.Ser.35. 267-268 (1996)