1995 Fiscal Year Annual Research Report
択一的スプライシングの調節領域を認識するRNA結合蛋白質の解析
Project/Area Number |
07680685
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中村 正彦 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (20172439)
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Keywords | splicing / C2C12 / myoblast / RNA-binding protein / SR protein / myotube / intron / PCR |
Research Abstract |
択一的スプライシングの調節領域に結合する蛋白質の精製と新たなSR蛋白質の検索 分化誘導前後のマウスの筋芽細胞株C2C12の核抽出液から択一的スプライシングに関与するRNA結合蛋白質の単離、精製を行ってきた。HeLa細胞などに比べると培養単位の制限もあり、さらに含量が少ないこともあり、RNA結合蛋白質の中でもとりわけ目的とするSR蛋白質が十分には得られないので、細胞培養や精製方法などに工夫をしている。塩析やカラム操作の前に粗抽出液を密度勾配遠心で分画し、スプライセオソーム複合体の画分を調整する条件などを検討した。また、共存する核内ヘテロRNAが分離しないように扱うことが重要であることが判明した。今後はRNAの分解を防ぐ条件や分解を検出する系の構築の検討も必要である。 択一的スプライシングの促進活性や調節領域に結合して阻害する活性などをもつ蛋白質の検索や検討するためのミニ遺伝子を構築した。このような測定に用いるイントロン内の調節領域については、既に得られている領域とは異なるイントロンでも別の新たな調節領域の存在を明らかにした。また、これらの領域が機能していることはin-vitroの実験系で確認した。今後はこれらの領域も併せて解析する方がより有効であると考える。 また、SR蛋白質の抗体作成の計画には取りかかれてなかった、分化誘導した24時間目のC2C12細胞から得たRNAからRNA結合ドメイン(RNP-2とRNP-1)に対するプライマーを用いてPCR法で数個のRNA結合蛋白質のcDNAクローンを得たので、これらを元に大腸菌で発現させたペプチド断片を抗源に抗体作成を計画している。更に、これらペプチドはC2C12から得たRNA結合蛋白質を解析する上での標準試料としても有効である。 来年度も更に本研究を多角的に発展するように努める。
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[Publications] Y.Harada,M.Nakamura & A.Asano: "Temporally distinctive changes of alternative splicing pattems dunng myogenic differentiation of C2C12 cells" J.Biochem.118. 780-790 (1995)
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[Publications] T.Yoshimi,M.Nakamura & A.Asano: "Studies on differentiation mechanisms from pineal body cells to muscle cells (II)" Cell Structure and Function. 20. 588 (1995)
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[Publications] T.Yoshimi,M.Nakamura & A.Asano: "Expression of several muscle-specific genes duning differentiation of cultured pineal body cells under artificial (high NaCl) conditions" Differentiation. (in press).