1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07680690
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
藤原 和子 徳島大学, 酵素科学研究センター, 助教授 (20108880)
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Keywords | リポ酸転移酵素 / リポ酸 / グリシン開裂酵素系 / α-ケト酸脱水素酵素複合体 / ジヒドロリポイルトランスアシラーゼ / リポイルドメイン |
Research Abstract |
リポ酸はグリシン開裂酵素系のH蛋白およびピルビン酸,α-ケトグルタル酸および分岐鎖ケト酸脱水素酵素複合体のアシルトランスフェラーゼ(E2)成分に補酵素と結合している.動物組織においてリポ酸がこれらの蛋白に結合する機構は,まずリポ酸がリポ活性化酵素によってlipoyl-AMPとなり,次いでそのlipoyl部分がリポ酸転移酵素によって蛋白に転移されると考えられる.我々はアポH蛋白をリポ酸の受容体として用いてリポ酸転移酵素をウシ肝臓ミトコンドリアより単一にまで精製した.この精製酵素がピルビン酸,α-ケトグルタル酸および分岐鎖ケト酸脱水素酵素複合体のE2をもリポイル化するか否かを調べるためにそれぞれのリポイルドメインをin vitroで転写,翻訳して合成した(それぞれLE2p,LE2kおよびLE2b).それらのリポイル化反応によって次の結果を得た. 1.精製酵素はLE2p及びLE2kをH蛋白とほぼ同じ効率でリポイル化したが,LE2bのリポイル化の効率は著しく低かった.我々はその原因はE2のリポ酸結合部位の3残基N末端側のGlu残基がE2bの場合のみGlnに変異しているためであろうと考え,その残基をGluに置換したところリポイル化の効率は約100倍上昇した.逆にE2pおよびE2kの同じ位置のGluをGlnに置換するとリポイル化の効率は1/100以下に低下した.これらの結果はリポ酸結合部位の3残基N末端側のGluがリポイル化に重要な役割を果たしていることを示すものである. 2.これらのリポイルドメインにはよく保存されているGly残基がリポ酸結合部位の16残基N末端側と,11残基C末端側に存在する.これらの残基をSerとAsnに置換したところ,11残基C末端側のGly残基はリポイルドメインの折りたたみに重要であること,またこの位置にGlyやSerのような小さい残基が存在する事がリポイル化のために必要である事が明らかにされた.
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Research Products
(2 results)