1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07680690
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
藤原 和子 徳島大学, 酵素科学研究センター, 助教授 (20108880)
|
Keywords | リポ酸転移酵素 / クローニング / リポ酸 / グリシン開裂酵素系 |
Research Abstract |
リポ酸はグリシン開裂酵素系のH蛋白及びピルビン酸,α-ケトグルタン酸および分岐鎖ケト酸脱水素酵素複合体のE2成分に補酵素として結合している.リポ酸転移酵素はlipoyl-AMPからリポ酸をこれらの蛋白に転移する酵素であり,我々は以前にアポH蛋白をリポ酸の受容体として用いてウシ肝臓よりリポ酸転移酵素IとIIを単一に精製し,これらの酵素がピルビン酸,α-ケトグルタル酸および分岐鎖ケト酸脱水素酵素複合体のE2のリポイルドメインをリポイル化することを明らかにした.今年度,この精製蛋白を用いて以下の成果を得た. 1)リポ酸転移酵素のクローニング.リポ酸転移酵素IとIIのN末端よりそれぞれ20残基と30残基のアミノ酸配列を分析した.リポ酸転移酵素Iの配列はN末端にさらにAsnが付加されていた以外はIIの配列と同一であった. 2)リポ酸転移酵素IIのアミノ酸配列Asn13-Asn18およびTrp24-Met29に基づいてオリゴヌクレオチドを合成し,これを用いてウシ肝臓のλgt10cDNA libraryの2.4×10^6個の独立クローンをスクリーニングし,両probeとhybridizeするクローン1個を得た.このクローンに含まれるcDNAは1.3kbpの長さがあり,リポ酸転移酵素の全長をカバーできる長さである.今後,この塩基配列を決定すると共にこのcDNAを大腸菌中で発現させてその抗体を得、I型とII型の相関について明らかにする.
|
-
[Publications] Kazuko Fujiwara: "Lipoylation of acyltransferase components of α-ketoacid dehydrogenase complexes." J.Biol.Chem.271. 12932-12936 (1996)
-
[Publications] 藤原 和子: "セレノリポイル化したH蛋白の性質について" 生化学. 68. 986 (1996)