1996 Fiscal Year Annual Research Report
顆粒球コロニー刺激因子受容体を介する情報伝達機構の解析
Project/Area Number |
07680702
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
村上 宏 岡山大学, 工学部, 助教授 (90260174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長田 重一 大阪大学, 医学部, 教授 (70114428)
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Keywords | 顆粒球 / コロニー刺激因子 / 受容体 / シグナル伝達 / 増殖 / 分化 / チロシンキナーゼ / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)受容体を介する細胞増殖と分化のシグナル伝達を解析するため、G-CSF刺激で特異的にリン酸化される細胞質タンパク質を検討したところ、Shcタンパク質がG-CSF刺激依存にGrb2タンパク質とともにG-CSF受容体に結合しそのチロシン残基がリン酸化されることが明らかになった。その結果、G-CSF刺激でRas-MAP Kinase経路の活性化が起きることが示された。Shcタンパク質とG-CSF受容体との結合はG-CSF受容体の細胞質領域の第4番目のチロシン残基を介しておこることが示された。一方、G-CSF刺激依存の主要リン酸化タンパク質p54はShcタンパク質自体であると同定された。 さらに、G-CSFによる好中球への分化に際して、ミエロペルオキシターゼ(MPO)遺伝子の発現が特異的に誘導される。申請者らはG-CSF刺激依存の発現機構を解析するため、昨年までにMPO転写開始領域約800bp上流にG-CSFに応答してプロモーター活性が上昇しIL-3によって抑制されるエレメントを同定した。ついで、ゲル・シフト法により、この領域に結合する転写因子(NF/G-CSF)の存在が確認でき、オリゴヌタレオチドをaffinityカラムの担体として、マウス骨髄性白血病株よりNF/G-CSF転写因子を精製した。精製NF/G-CSFのアミノ酸配列から、この転写因子は既知の転写因子NF-Yであることが示された。NF-Yは三つのサブユニットNF-YA、-YB、-YCから成り立っていることが知られているがNF/G-CSFは実際、これらサブユニットに対する抗体によって認識された。したがって、NF-YがMPO遺伝子の発現調節に関与していることが示された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Takahashi,T.: "Swapping between Fas and granulocyte colony-stimulating factor receptor." J.Biol.Chem.271. 17555-17560 (1996)
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[Publications] Enari,M.: "Sequential activation of ICE-like and CPP32-like proteases during Fas-mediated apoptosis." Nature. 380. 723-726 (1996)
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[Publications] Tanaka,M.: "Fas ligand in human serum." Nature Med.2. 317-322 (1996)
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[Publications] Suda,T.: "Apoptosis of mouse naive T cells induced by recombinant soluble Fas ligand and activation-induced resistance to Fas ligand." J.Immunol.157. 3918-3924 (1996)
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[Publications] Enari,M.: "Different apoptotic pathways mediated by Fas and tumor necrosis factor receptor : cytosolic phosholipase A2 is not involved in Fas-mediated apoptosis." Eur.J.Biochem.236. 533-538 (1996)
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[Publications] Adachi,M.: "Enhanced and accelerated lymphoproliferation in Fas-null mice." Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 93. 2137-2142 (1996)