1995 Fiscal Year Annual Research Report
MAP2リン酸化による微小管動態制御の直接観察による研究
Project/Area Number |
07680715
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 智彦 名古屋大学, 理学部, 助手 (30183742)
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Keywords | 微小管の動態 / MAP2 / cdc2 Kinase / 暗視野顕微鏡 / リン酸化 |
Research Abstract |
cAMP依存性Protein Kinaseおよびcdc2 Kinaseでリン酸化したところ、前者では突起部分が主にリン酸化され、後者ではMAP2の微小管結合部位周辺が主にリン酸化。個々の微小管の重合・脱重合への影響を暗視野顕微鏡で直接観察したところ、cAMPProtein Kinaseでリン酸化されたMAP2は非リン酸化MAP2と同様に微小管の脱重合をした。これに対して、cdc2 Kinaseでリン酸化されたMAP2は微小管の脱重合抑制能が著く低下し、MAP2非存在下の微小管と同様に極めて不安定であった。一方、MAP2の微小管重合核形成能は、cAMP依存性Protein Kinaseでリン酸化された場合もcdc2 Kinaseによってリン酸化された場合も阻害されることがわかった。 MAP2をリン酸化するKinaseとしては、当初予定したtau kinaseの代わりに大量に精製できるcdc2 Kinaseを用いた。両者はリン酸化部位の特異性がほとんど同じであり、代わりに用いてもまったく問題はなかった。この結果は非脱リン酸化MAP2を用いて得られたものであり、脱リン酸化MAP2については現在検討中である。また、MAP2のリン酸化状態は微小管精製の初期過程でATPを用いるかGTPを用いるのかでも異なることがわかった。従って、この違いもふまえたリン酸化状態の制御が必要である。結合の協同性の解析は現在進行中である。また、微小管に結合した状態のMAP2をリン酸化することによる動態の変化の解析も行う予定である。
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