1996 Fiscal Year Annual Research Report
MAP2リン酸化による微小管動態制御の直接観察による研究
Project/Area Number |
07680715
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 知彦 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 講師 (30183742)
|
Keywords | 微小管 / MAP2 / クラスター形成 / 蛍光標識 / 光学顕微鏡観察 |
Research Abstract |
MAP2の蛍光標識を試みた。通常の蛍光標識はタンパク質のアミノ基を修飾するFITCなどが簡便なため広く用いられている。しかし、MAP2の場合には、アルギニンやリジンに富んだC末端側の繰り返し配列が微小管との結合に重要であるので、アミノ基特異的な修飾は微小管とMAP2の結合を阻害する可能性が高い。そこで、結合には比較的無関係と思われるN末端側に数個分布するシステインを、SH基を特異的に修飾するX-Rhodamineiodoacetamide(X-RIA)で標識することにした。実際には、繰り返し配列中にシステインが1つ存在するため、蛍光色素による修飾がMAP2の結合活性に影響を及ぼすことが予測された。これを防ぐ手だてとしては、重合した微小管にMAP2が結合した状態で標識する必要があるが、この条件では色素のほとんどがチューブリンを修飾するため、MAP2への効率の良い標識が困難であった。そこで、微小管のない条件での修飾を試みた。その結果、X-RIAはMAP2の繰り返し配列にも取り込まれたものの、taxolで安定化した微小管との結合は保持していることがわかった。この微小管を暗視野顕微鏡および蛍光顕微鏡で観察すると、個々の微小管上でMAP2のクラスターに対応すると思われる蛍光の非均一な分布が観察された。これを他の色素にも応用し、リン酸化状態の異なるMAP2が顕微鏡下で区別できる。
|
Research Products
(1 results)