1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07680748
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
木村 穣 東海大学, 医学部, 教授 (10146706)
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Keywords | マウス / 初期胚 / 遺伝子発現 / cDNA / SSEC-D |
Research Abstract |
ほぼ計画に従って、平成7年度の研究は進められた. 1.マウス2細胞期のcDNAライブラリーに多量に含まれる,散在性反復配列B1を持つクローンについてその構造的な特徴を解析した.まだ数十クローンの解析結果からではあるが,2細胞期に発現する特に特異的なB1配列はなさそうなこと,またmRNA上の方向性に法則性はないこと,多くはmRNAの非翻訳領域に存在するらしいこと等が判明した. またホモロジー解析の結果から,染色体構造と遺伝子発現に関係があると期待されるヘテロクロマチン修飾タンパク質遺伝子hmp2,あるいは初期発生に深く関わっていると思われるtctex-1, eng-1に相同な配列を持つcDNAが単離されている. 2.マウス2細胞期のサブトラクションライブラリーから単離されたSSEC-Dクローンについて解析を進めた.当初,約400bpの短いcDNAクローンしか単離されていなかったが,再度2細胞期のcDNAライブラリーをスクリーニングすることにより,最長600bpの複数のクローンを得た.約900ntdsのRNAの発現は調べる限り成体マウスのすべての組織で強く,ハウスキーピング遺伝子の一つではないかと思われる.成体脳のcDNAライブラリーからも同じ配列を持つcDNAを単離したが,いずれも全長のcDNAが得られないことから5'RACE法を試みたが,強固な二次構造を形成し得る塩基配列を持っている為か,まだ全長cDNAは得られない.またcDNA上にcytoplasmic polyadenylation elementが見いだされた. この遺伝子は2つの遺伝子座を持つらしいこと,また種を越えて,げっ菌類,霊長類で特に良く保存されているらしいことが判明した.5個の遺伝子クローンも単離し,これらが構造から2つのグループに分けられ,一方は偽遺伝子であることを明かに出来た. 成果は目下投稿準備中である.
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