1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07680752
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
今井 義幸 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (80260040)
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Keywords | 減数分裂 / 分裂酵母 / 細胞周期 / マウス |
Research Abstract |
1.分裂酵母のmei2遺伝子がコードするRNA結合タンパク質と、sme2遺伝子がコードするmeiRNAは複合体を形成して減数分裂の制御に関わっている。sme2変異を機能的に相補する遺伝子として前年度までに単離したマウスのクローン(♯MTA6)について解析を進めた。この遺伝子は長さの異なる複数のmRNAに転写されているが、そのうちの1.2kbの転写産物は精巣特異的に検出された。遺伝子産物はpolyA結合タンパク質と高い相同性をもっているが、抗体を調製して精巣の切片を染色すると精母細胞の核が染色され、このタンパク質が減数分裂の進行に重要な役割を果たしていることが示唆された。2.分裂酵母mes1は減数第二分裂に必須な遺伝子であるが、mes1によりコードされる約11kDのタンパク質の生化学的な機能は不明である。mes1変異を抑圧する劣性変異としてsms1-sms11の11の遺伝子座を同定した。これらのうち少なくともsms1、sms3、sms4およびsms5は、タイプIプロテインフォスファターゼをコードするdis2遺伝子を過剰発現することにより抑圧されることがわかった。またsms1変異のマルチコピーサプレッサーとして、DNA修復後の細胞周期の再開を制御することが示唆されているslp1遺伝子を同定し、mes1がチェックポイント制御に関わっている可能性が示唆された。3.分裂酵母の減数分裂の開始には接合フェロモンによる情報伝達が必須であり、mam4遺伝子は接合フェロモンM-ファクターを修飾するメチルトランスフェラーゼをコードする。マウスおよびアフリカツメガエルのcDNAライブラリーを用いてmam4変異を相補する遺伝子の検索を行ない、アフリカツメガエルよりmam4に相同な遺伝子(Xmam4)を単離した。また最近になってEST(expressed sequence tags)プロジェクトによりマウスにおける相同遺伝子が報告されたことから、この遺伝子のファミリーが酵母から哺乳動物に至るまで保存されていることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Y.Chikashige: "Meiotic nuclear reorganization:switching the position of centromeres and telomeres in fission yeast Schizosaccharomyces pombe." EMBOJ.16. 193-202 (1997)
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[Publications] Y.Imai: "Genes encoding farnesyl cysteine carboxyl methyltransferase in Schizosaccharomyces pornbe and Xenopus laevis." Mol.Cell.Biol.(印刷中). 17. (1997)