1995 Fiscal Year Annual Research Report
活性酸素に対する防御機構の遺伝的解析と遺伝子クローニング-遺伝病との関連性-
Project/Area Number |
07680753
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
稲葉 浩子 放射線医学総合研究所, 第一研究グループ, 主任研究官 (70159953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 正剛 放射線医学総合研究所, 第二研究グループ, 主任研究官 (00260240)
辻 秀雄 放射線医学総合研究所, 第二研究グループ, 主任研究官 (40163795)
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Keywords | 活性酸素生産剤 / CHO・K1変異株 / 相補性群 / DNAクロスリンク / ファンコニ-貧血症 / 微小核融合 |
Research Abstract |
CHO・K1細胞の活性酸素生産剤感受性変異株の相補性群I-IIIの代表株を用いて、変異を相補するヒト遺伝子をクローニングのための基本的方法の検討を主として行った。 1)相補性群I(Pa13)とII(Pb4)は、DNAクロスリンク剤であるMMCやcis-DDPに感受性が高いことから、Fanconi貧血症A-D群の遺伝子がのっているヒト第9染色体を、A9his9p8(histidinol耐性マーカー付き)より調整した微小核との融合により移入した。Pa13とPb4からそれぞれ4株づつのHybridを得、それらのMMCならびにcis-DDP感受性を調べた結果、いずれも元の変異株と同程度の感受性を示し、変異は9番染色体により相補されず、これらの変異はFAの4群とは異なると推定された。 DNA供与体としてヒトゲノムDNAを用い、またX線照射ヒト細胞と変異株を融合し(Radiation Hybrid法)、MMC抵抗性株を分離する試みを行った。MMC(またはcis-DDP)を用いて多数の細胞からヒトDNAによって抵抗性になった株を分離するのは、revertantの存在や薬剤による形質転換細胞の選択条件の設定の困難さから中断した。現在は、ヒト細胞と変異株との雑種細胞から、変異を補償するヒト染色体を同定する方向で研究を進めている。 2)相補性群III(Pa15)に対しても同様な試みを行ってきたが、状況は同じであり、まず変異を相補するヒト染色体の同定、次にそれを形質転換の材料として遺伝子の同定をする方向に切り替え研究を継続している。このためヒトNTI細胞にpSV2neoを導入し、約300個のG418耐性細胞のクローンを得た。その混合細胞集団より微小核を調整し、変異株と融合し、変異を補償するヒト染色体の同定を進めている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yamauchi, M., et. al.: "Isolation of human purH gene expressed in the rodent transformant cells by subtractive enrichment of 3′-untranslated region of human transcript" DNA Research. 2. 269-275 (1995)
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[Publications] Imai, T., Yamauchi, M., et. al.: "Construction of YAC contigs at human chromosome 11q22.3-q23.1 reqion covering the Ataxia Telangiectasia locus" DNA Research. 2. 113-121 (1995)
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[Publications] Mita, K., Tsuji, H., Yamauchi, M., et.al: "The human gene encoding the largest subunit of RNA polymerase II" Gene. 159. 285-286 (1995)
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[Publications] Ikota, N., Hama-Inaba, H.: "Chiral pyrrolidine derivatives as catalysts for the enantioselective addition of diethylzinc to aldehydes" Chem. Pharm. Bull.(in press). (1996)
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[Publications] 町田勇、稲葉浩子: "抗変異原・抗発がん物質とその検索法" 講談社サイエンティフィク, 219-228 (1995)
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[Publications] 浜・稲葉浩子: "放医研シンポジウムシリーズNo.27 活性酸素・フリーラジカル研究の進展開" 放射線医学総合研究所(印刷中), (1996)