1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07680777
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
池北 雅彦 東京理科大学, 理工学部・応用生物科学科, 助教授 (70138981)
|
Keywords | アポトーシス / 糖タンパク質 / 複合糖鎖 / マクロファージ / レクチン / フコース / HL60RG細胞 |
Research Abstract |
[目的]遺伝的にプログラムされていると考えられる「アポトーシス」と呼ばれる細胞死の特徴一つとして炎症を伴うことなく隣接する食細胞により非常にすばやく貪食除去されることがあげられる。このアポトーシス細胞の貪食除去過程には特異的な認識機構が必要不可欠であると考えられることから,本研究ではこの認識機構の分子メカニズムを明らかにする目的でアポトーシス細胞の表層糖鎖抗原について解析した。 [結果] 1)アポトーシスの誘導及びマクロファージによる貪食 アクチノマイシンDで処理したヒト前骨髄性白血病細胞(HL-60RG細胞)について電子顕微鏡を用い経時的に観察した結果,クロマチンの凝集,核の断片化などアポトーシスに特徴的な形態学的変化を認めた。このアポトーシスを誘発した細胞は,マクロファージに非常に効率よく貪食されることを電子顕微鏡,及びフローサイトメーターを用いた解析結果から明らかにした。 2)細胞表層糖鎖抗原の解析 アポトーシスを誘発したHL-60RG細胞は正常細胞に比べて電気泳動移動度が増大し,さらに表層シアル酸量は減少することを明らかにした。一方,アポトーシスを誘発したHL-60RG細胞及び正常細胞から細胞膜タンパク質を調製し,SDS電気泳動により解析した結果,新たな膜タンパク質の出現,及び消失を認めた。 3)細胞膜糖タンパク質糖鎖の構造解析 アポトーシスを誘発したHL-60RG細胞をFITC標識レクチンで蛍光標識後,フローサイトメーターを用いて反応性を調べた結果,アポトーシスの誘発に伴ってConA,RCA120などのレクチンに対する反応性が著しく減少し,糖鎖抗原が変化していることを認めた。そこで次にアスパラギン結合型糖鎖の構造を解析した結果,フコース残基が減少していることを明らかにした。この現象は,カンプトテシン,エトポサイドでアポトーシスを誘発した場合にも観察され,アポトーシス特有の糖鎖抗原の構造変化であると考えられる。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] M.IKEKITA: "DNA fragmentation in buman myelogenous leukemic cell lines by sodium 5,6-benjiliden-L-ascorbate and its related compounds." Anticancer Res. 14(3A). 969-976 (1994)
-
[Publications] M.Ikekita: "Structural characterization of Sialylated and Neutral N-linked oligo-saccharides Labeled with ABOE by HPLC and FAB-MS." J.Biochem.(発表予定).
-
[Publications] M.Ikekita: "Structural alterration of cell surface oligosaccharides on HL-60RG cells undergoing apoptosis." J.Biochem.(発表予定).