1996 Fiscal Year Annual Research Report
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07680795
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
久保 健雄 東京大学, 薬学部, 助教授 (10201469)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 綾子 東京大学, 薬学部, 助手 (90272484)
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| Keywords | 昆虫 / ワモンゴキブリ / 遺伝子発現 / 再生 / リジェネクチン / 26-kDaレクチン / cDNAクローニング / 分子進化 |
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| Research Abstract |
ワモンゴキブリの若虫は、肢や触角、複眼など器官の再生能が高く、再生の研究材料として優れている。研究代表者らは、この昆虫の体液から2種類のCa^<2+>依存性レクチンを精製し、これらが肢の再生芽に時期や組織に特異的に局在することを示している。このうち、リジェネクチンと命名したレクチンは、再生中期から後期にかけて再生筋細胞の周囲に特異的に局在するが、26-kDaレクチンは再生中期に再生上皮組織の周囲に局在することから、これらの分子は役割分担して再生芽の形成に働くものと思われる。
今回は、これらレクチンのcDNAクローニングを行い、一次構造を明らかにするとともに、再生肢への局在のメカニズムを調べる目的で、再生芽における遺伝子発現を解析した。その結果、(1)一次構造については、リジェネクチンと26-kDaレクチンはともにCタイプレクチンに分類され、互いに約45%の相同性を示すことが明らかになった。また、これら2つの蛋白は、我々が以前に同じ体液から精製し、細菌に対する感染防御に働くことを示しているLPS-結合蛋白とも同程度の相同性を示した。従って、これら3つの蛋白は同じレクチンファミリーに属しており、共通の祖先型遺伝子から派生したと考えられた。(2)さらにリジェネクチン遺伝子は、再生中期から後期の再生芽において上皮細胞で特異的に発現していることが分かった。このことは、リジェネクチンが上皮組織で合成、分泌されることにより、筋細胞の接着や分化に働くパラクライン因子として機能することを示唆している。
本研究は、昆虫の器官再生に働くと考えられる分子の構造と発現を解明した初めての例である。これらのレクチンは昆虫の進化の過程で、異なる糖特異性と発現制御機構を獲得することにより、再生芽の形成や感染防御に機能分担した可能性が考えられる。
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[Publications] Kawasaki,K.: "Presence of the Periplanata lectin-related protein family in the American cockroach Periplanata americana." Insect Biochem.Molec.Biol.26. 355-364 (1996)
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[Publications] Kubo,T.: "Insect lectins and epimorphosis" Trends in Glycosci.Glycotech.8. 357-364 (1996)
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[Publications] Kubo,T.: "Change in the expression of the hypopharyngeal gland proteins of the worker honeybee(Apis mellifera L.)with age and/or role." J.Biochem.119. 291-295 (1996)
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[Publications] Ohashi,K.: "Molecular cloning of cDNA and analysis of expression of the gene for α-glucosidase from the hypopharyngeal gland proteins of the worker honeybees Apis mellifera L." Biochem.Biophys.Res.Commun.221. 380-385 (1996)
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[Publications] Horio,T.: "Purification and cDNA cloning of the alchol dehydrogenase of the flesh fly Sarcophaga peregrina" Eur.J.Biochem.237. 698-703 (1996)
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[Publications] Haq,S.: "Purification,characterizafion,and cDNA cloning of a galactose-specitic C-type lectin from Drosophila melanogaster." J.Biol.Chem.271. 20213-20218 (1996)
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[Publications] Natori,S.: "New directions in insect immunity" Role of lectins in development and morphogenesis in insects., 13 (1996)
