1995 Fiscal Year Annual Research Report
器官上皮の形態形成:上皮の形態変化と間充織による制御の動的画像解析
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07680799
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中西 康夫 大阪大学, 理学部, 教授 (40022636)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桧枝 洋記 大阪大学, 理学部, 助手 (30243132)
森田 敏照 大阪大学, 理学部, 教授 (60073110)
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Keywords | 唾液腺上皮 / 唾液腺間充織 / クレフト形成 / 画像解析 / 組織間相互作用 / マウス / 皮膚 / 毛 |
Research Abstract |
(1)13日目の胎仔唾液腺原基を寒天上で培養し、その二次元画像をイメージプロセッサーで処理して収録した。収録した画像をPhotoshopを用いて加工し、NIH Image,CA-Cricket Graph IIIを用いて解析した。その解析の結果、予備的ではあるが、(1)上皮のクレフト形成の始まりと終点の間に上皮の拡張は必ずしも必要ではない、(2)クレフト形成とストーク形成は連動しているようにみえる、(3)クレフト形成時の間充織の運動が、上皮のクレフト形成とどのように連動しているかは今のところ不明確である。 (2)上の検討の過程で明らかになったことではあるが、この系での形態形成運動の過程で間充織のみならず上皮細胞も活発な運動を行っていることが明らかとなった。現在の方法ではこの細胞の動きを正確に記録することは困難であるが、このことはこの時期の上皮細胞の特殊性を示す重要な証拠と考えている。 (3)上のこととの関連で、胎仔唾液腺の上皮組織における細胞接着装置の存在についても検討した。その結果、形態形成初期過程の上皮には、十分な接着装置が見られない可能性が高いとの結論を得た。 (4)皮膚上皮(表皮)における毛の形成過程の細胞接着装置も検討したが、唾液腺の場合と同様であった。以上のことから、形態形成過程における器官原基は、それを支配する間充織のみならず、その器官の実質細胞である上皮組織においても活発な細胞運動をともなっていることを強く示唆することになった。これまでの研究から真皮組織は唾液腺間充織のように流動する活性を持たないと思われてきたが、今回の研究結果は皮膚における器官形成を器官原基単位でより詳細に検討する必要があることを示した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 森康子 他: "Salivary gland morphogenesis : Involvement of extracellular matrix components during the dynamic processes." World Scientific,“Interplay of genetic and physical processes in the development of biological form". 113-120 (1995)
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[Publications] 久保田幸彦 他: "A new monoclonal antibody (4E9R) identifies mouse neurel crest cells." Developmental Dynamics.(印刷中).