1995 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞の分化と神経伝達物質トランスポーターの発現
Project/Area Number |
07680815
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
門田 朋子 千葉大学, 医学部, 助教授 (00089864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
外山 芳郎 千葉大学, 医学部, 講師 (70009637)
溝手 宗昭 帝京平成大学, 情報工学科, 教授 (70009645)
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Keywords | 神経伝達物質トランスポーター / ドーパミン・トランスポーター / ノルアドレナリン・トランスポーター / モノクローン抗体 / PC12細胞 / PCR反応 / ウエスタンプロッティング |
Research Abstract |
1.ドーパミン・トランスポーター抗体の特異性の検討 先に得られた抗ドーパミン・トランスポーター(DAT)抗体については、DATとノルエピネフリントランスポーター(NET)とのホモロ-ジ-が高いため、その特異性を厳密に検討する必要がある。この点について次の2つの手法を用いて検索した。(1)線状体にはDATが、小脳皮質にはNATが各々特異的に存在するとされている。この両者のシナプトゾーム分画に抗DAT抗体を用いてウエスタン・ブロットを行った。ただし小脳皮質NAT濃度は非常に低いと考えられるため、線状体分画に対し10〜50倍蛋白濃度の試料を用いた。線状体分画では低蛋白濃度でも反応バンドが認められたが、小脳皮質分画では高濃度分画においても認識される蛋白は何も見出されなかった。(2)前回用いた抗原ペプチド(ペプチド-1)の前半(DATとNATに共通のアミノ酸構成)と後半(DATに特異的なアミノ酸構成)に分けた2種類の合成ペプチドを作製し、これらを用いて抗DAT抗体の吸収テストを行った。ペプチド-1と後半ペプチドは吸収能を発揮したが、前半ペプチドは殆ど吸収能を示さなかった。(1)(2)の結果より、今回得られた抗DAT抗体はNETに反応せず、DATのみを認識するDAT特異的な抗体であると考えられた。 2.PC12細胞におけるドーパミン・トランスポーター発現の分子生物学的検討 DATとNAT各々に特異的なcDNAオリゴマーを合成し、これらを用いてラット脳mRNA分画からRT-PCR法により、各々のクローンをコピーした。PC12細胞分化0日(コントロール)では両者の発現が認められたが、分化7日目(NGF添加後7日)ではDATの発現が非常に強くなったのに対し、NETの発現は殆ど消失していた。この成績は先に報告したPC12細胞の成長円錐に強く発現している抗体反応陽性蛋白がDATであることを強く支持するものである。
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[Publications] Tomoko Kadota: "Antipeptide antibody of dopamine transporter and its expression in the PC12h cells." Acta Anatomica Nipponica. 70. 248-251 (1995)
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[Publications] 門田朋子: "Na^+依存性伝達物質トランスポーター" 細胞. 27. 349-352 (1995)