1995 Fiscal Year Annual Research Report
閉口筋運動ニューロンと筋紡錘求心線維とのシナプス接合様式
Project/Area Number |
07680820
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
重永 凱男 大阪大学, 歯学部, 教授 (90028770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 新二 大阪大学, 歯学部, 助手 (20263296)
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Keywords | 三叉神経運動核 / 三叉神経上核 / 筋紡錘 / 歯根膜 / 樹状突起 / シナプス / HRP / 細胞体 |
Research Abstract |
閉口筋に分布する筋紡錘求心線維終末を、三叉神経運動覚(Vmo)で288個、三叉神経上核(Vsup)で93個、また、中脳路核由来歯根膜求心線維では、Vmoで69個、Vsupで188個のHRP標識軸索瘤を電子顕微鏡にて観察した。すべてのHRP標識軸索瘤は、42-50nmの球形芯無しシナプス小胞を含有し、細胞体、樹状突起、または、樹状突起棘シナプス接合を形成した。又球形、楕円形からなる多形成シナプス小胞を含有する軸索終末(P-ending)ともシナプス接合をなす標識軸索瘤も認められた。Vmoにおける筋紡錘求心線維: HRP標識軸索瘤は、細胞体、近位樹状突起、遠位樹状突起、P-endingとシナプス接合をなした。軸索瘤あたりのシナプス接合頻度は、それぞれ0.06±0.24(n=17、シナプス接合数)、0.47±0.51(n=135)、0.64±0.69(n=183)、0.14±0.37(n=40)であった。軸索瘤の大きさは、シナプスを形成する部位で異なり、細胞体及びP-endingとシナプスをなす軸索が最も大きな値をなし(2.35±0.72μm,n=17;2.41±0.88μm,n=40)、樹状突起(近位、1.97±0.77μm,n=134;遠位、2.01±0.88μm,n=137)とシナプスをなす軸索瘤より有意に大きい値を示した。Vmoにおける歯根膜求心線維: HRP標識軸索瘤は、近位樹状突起、遠位樹状突起とP-endingとシナプス接合を形成し、軸索瘤あたりのシナプス接合頻度は、それぞれ0.07±0.26(n=5)、1.55±0.90(n=107)、0.42±0.58(n=29)であった。軸索瘤の大きさは、近位樹状突起で1.86±0.37μm(n=5)、1.71±0.39μm(n=64)、P-endingでは1.63±0.39μm(n=26)であり、有意差は認められなかった。三叉神経上核における筋紡錘及び歯根膜求心線維終末は、お互いに類似したシナプス配列を示した。HRP標識軸索瘤の大部分は、遠位樹状突起及びP-endingとシナプス接合を形成した。軸索瘤あたりのシナプス接合頻度は、筋紡錘求心線維でそれぞれ1.28±0.58(n=119)と0.72±0.89(n=67)、歯根膜求心線維では、それぞれ1.21±0.43(n=227)と0.87±0.86(n=163)であった。このことより、1)Vmoにおける筋紡錘求心線維終末は細胞体から遠位樹状突起に至る広範囲に分布するが、歯根膜求心線維終末は主に遠位樹状突起とシナプス接合をなした。2)Vsupでは、筋紡錘、歯根膜求心線維終末の大部分は、ともに遠位樹状突起とP-endingとシナプス接合をなした。以上より、シナプス配列様式は、運動ニューロンとその介在ニューロンとの間で異なることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 重永凱男: "Electron Microscopic Observation of Synaptic Connections of Jaw-Muscle Spindle and Periodontal Afferent Terminals in the Trigeminal Moter and Supratrigeminal Nuclei in the Cat." J.comp.Neurpl.(in press).
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[Publications] 重永凱男: "Light microscopic observation of the contacts made between two spindle afferent types and α-motoneurons in the cat trigeminal motor nucleus." J.comp.Neurpl.(in press).