1996 Fiscal Year Annual Research Report
アネキシンVIによる細胞膜骨格機能制御に関する研究
Project/Area Number |
07680842
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
乾 誠 山口大学, 医学部, 教授 (70223237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
祖父江 憲治 大阪大学, 医学部, 教授 (20112047)
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Keywords | アネキシン / カルスペクチン / シナプシンI / カルシウム・イオン / リン酸化 |
Research Abstract |
アネキシンVIは、神経細胞において比較的豊富に存在するにもかかわらずその機能は不明である。アネキシンは、Ca^<2+>およびリン脂質を結合すること及びその細胞内局在から細胞膜或いは細胞膜骨格との関連が強く示唆されてきた。神経細胞におけるアネキシンVIの機能を解明することを目的としてアネキシンVIの標的蛋白質の検索を試み、その検索法を確立するとともに幾つかのアネキシンVI結合蛋白質の同定に成功した。その結果、神経細胞では、細胞膜骨格蛋白質カルスペクチン及びシナプス小胞蛋白質シナプシンIがアネキシンVI結合蛋白質であることを見い出した。これら2つの蛋白質はともに神経細胞の前シナプス部に存在し、神経伝達物質放出に重要な役割を果たしている。そこで、今回これら2つのアネキシンVI結合蛋白質の相互作用及びその調節機構について検討した。その結果、両蛋白質は、Kd=10nMの高親和性結合を示すことが明らかとなった。カルスペクチンは、シナプシンIの頭部-中間部に結合した。また、シナプシンIは、β-カルスペクチンのN末端部のアクチン結合部近傍に結合することが明らかとなった。さらに、両蛋白質の相互作用の調節機構を明らかにするため、燐酸化の影響を調べた。シナプシンIのcAMP依存性の頭部の燐酸化によりカルスペクチンのシナプシンIへの結合が著明に抑制された。また、Ca^<2+>/カルモデュリン依存性の尾部のリン酸化によっても結合が著明に抑制された。以上の結果は、前シナプス部においてアネキシンVI結合蛋白質の相互作用ががその機能調節に重要な役割を果たす可能性を示唆する。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Iga,M.: "Characterization of the interaction between synapsin I and calspectin(brain spectrin or fodrin)." Biochem.Biophys.Res.Commun.(In press.). (1997)
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[Publications] Akagi,S.: "Localization of synapsin I in normal fibers and regenerating axonal sprouts of the rat sciatic nerve." Histochemistry & Cell Biology.105. 365-373 (1996)
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[Publications] Ozawa,K.: "Phase specific association of heterotrimeric GTP-binding proteins with the actin-based cytoskeleton during thrombin receptor-mediated platelet activation." FEBS Letters. 382. 159-163 (1996)
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[Publications] Ozawa,K.: "Translocation of cortactin(p80/85)to the actin-based cytoskeleton during thrombinreceptor-mediated platelet activation." Experimental Cell Research. 221. 197-204 (1996)
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[Publications] Inui,M.: "Reconsitition of calcium pumping of cardiac sarcoplasmic reticulum in ″Biomembranes″." Acade'mic Press, 1096 (1997)
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[Publications] Inui,M.: "Purification of Ca2+ release chnnel(ryanodin receptor)from heart and skeletal muscle sarcoplasmic reticulum in ″Biomembranes″." Academic Press, 1096 (1997)