1995 Fiscal Year Annual Research Report
感覚神経栄養因子としてのミッドカイン;標的細胞および活性ドメインの同定
Project/Area Number |
07680870
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
門松 健治 名古屋大学, 医学部, 講師 (80204519)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村松 寿子 名古屋大学, 医学部, 助手 (50182134)
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Keywords | ミッドカイン / 神経栄養因子 / ノックアウトマウス / 視神経 / アフリカツメガエル |
Research Abstract |
ミッドカイン(MK)は多種の神経細胞に対して、神経栄養因子としての活性を持つ。 本研究ではまず、比較的よく研究され、細胞の色分けが進んでいる脊髄後根神経節(DRG)を材料に、MKの標的細胞の同定とMKの活性ドメインの同定を試みようとした。MK遺伝子の約2Kbの下流にlac Zをつないた遺伝子を持つトランスジェニックマウスでは、DRGにlac Zの発現のあることがわかっっていた。そこでマウス胎生13〜15日胚の水平断片について、MKの発現をin situ hybridizationにより詳細に検討した。ところがMKは、脊髄のneuroepitheliumには発現するが、DRGでの発現は認められなかった。つまり、生体内でのMKの発現と標的細胞を直結させるのは、この系では難しいと思われた。そこでより高所から、MKと神経の関係を追求した。まず、アフリカツメガエルのMK(XMK)のcDNAクローニングを行った。マウスMKとは、60%のホモジ-を持ち、全てのシステイン残基は保存されていた。興味深いことに、胎生期におけるXMKの発現は、中枢神経および頭部neural crest由来の組織に限局しており、この部はマウスでの発現とも重なるので、MKの基本的な標的部位として注目すべきであることが示された。 次に、脳神経の中で唯一髄鞘を欠き、中枢神経に属するとされる視神経に注目し、細胞におけるMKの発現を調べた。MKは、神経細胞に属するガングリオン細胞と内顆粒層の内側(アマクライン細胞に相当すると思われる)に発現し、グリア細胞に相当するミューラー細胞には発現が見られなかった。眼圧上昇による一過性の虚血誘導に際しては、これらの発現が、一過性に低下し、MK発現が細胞のダメ-ジをそのまま反映するような様式を示した。このことは、大脳において想定されるグリア細胞→MK→神経細胞という神経栄養因子の作用様式とは別に、視神経における神経回路の保持にMKが機能する可能性を示唆しており、興味深い。 もう一つ、特記すべき成果は、NKノックアウトマウスの作出である。2ラインのES細胞に由来する生殖キメラを複数得、各々から現在ホモ接合型マウスを得るに至った。このマウスは今後、感覚器のテスト、神経回路あるいは高次機能の研究に供される。
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[Publications] Sekiguchi,K.: "Restricted expression of Xenopus midkine gene during early development." J.Biochem.118. 94-100 (1995)
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[Publications] Aridome,K.: "Increased midkine gene expression in human gastrointestinal cancers." Jpn.J.Cancer Res.86. 655-661 (1995)
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[Publications] Kaname,T.: "The expression of truncated MK in human tumors." Biochem.Biophys.Res.Commun.(in press.).
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[Publications] Koike,C.: "Introduction of d (1,2) fucosyltransferase and its effect on d-Gal epitopes in transgenic pig." Xeno-transplantation. (in press).