1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07680914
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
鳥居 隆三 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (50106647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和 秀雄 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 教授 (60072675)
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Keywords | ニホンザル / 人工繁殖 |
Research Abstract |
ニホンザルの室内人工繁殖法の確率を目指して以下の実験成績を得た。 1.15頭のメスニホンザルを用いて2回/週、1年間採血を行い、血中Progesterone(P)とEstradiol‐17β(E2)をEIAとRIA法によって測定し、毎月1度腹腔鏡による卵巣の形態観察を行った。これらの中で無排卵に移行した7頭の個体に徐放型Gn‐RHを1〜5mg投与した結果、血中E2は2/13回で増加が見られたにすぎず、血中Pの増加はいずれにおいても見られなかった。また7〜8月の無月経、無排卵個体7頭にPMSGを投与し卵胞の発育を確認した後、Gn‐RHを3.75〜5mg投与した結果、卵胞の発育を認めた6頭のうち1頭にのみ排卵が確認できた。これらの成績より、徐放型Gn‐RHは下垂体機能の回復効果及び成熟卵胞での排卵誘起効果は少なく、実際の室内繁殖を行う際の有用性は無いと判断した。 2.7頭のオスニホンザルを用いて2回/月、1年間採血を行い、血中TestosteroneをEIA法によって測定し、1回/月、精巣のバイオプシーを行い組織の検索も行った。その結果、4頭に血中ホルモン値と精巣組織において明瞭な季節繁殖性が見られた。またペニス法による電気射精法によって得られた精子についてハムスター卵への精子進入率を比較検討した結果、繁殖期は他の時期に比べて進入率が有意に高く、精液性状と共に季節変動が見られることを確認できた。 3.12〜1月において、電気射精法によって得られた精子を腹腔鏡によって排卵直前を確認したメス個体に経膣法によって注入し、繁殖期における経膣法による人工授精の実際を行った。 以上、室内人工繁殖のためのメス及びオスの詳細な個体毎の成績を得たが、徐放型Gn‐RHは非繁殖期の下垂体機能回復及び排卵誘起にはその有用性がないことを確認した。そこで、繁殖期のおいては経膣法での人工授精法の確立を目指しながら、一方では、体外受精及び顕微授精法を試みることとし、その技術修得のためにカニクイザルを用いて検討を行うこととした。次年度は、非繁殖期の経膣法による方法に加えて体外受精及び顕微授精法による人工繁殖法を検討する。
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