1995 Fiscal Year Annual Research Report
新規な生体適合性高分子添加材の合成と医療材料の改質に関する研究
Project/Area Number |
07680934
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
石原 一彦 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助教授 (90193341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 昭彦 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助手 (30126263)
田中 志信 山形大学, 工学部, 助教授 (40242218)
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Keywords | 医用材料 / 生体適合性 / リン脂質ポリマー / 高分子添加材 / セグメント化ポリウレタン / 抗血栓性 / タンパク質吸着 / 血小板粘着 |
Research Abstract |
医用エラストマーとして広く利用されているセグメント化ポリウレタン(SPU)の機械的特性を維持しつつ血液適合性を改善することを目的として,血液適合性に優れた2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)重合体を高分子添加材として複合化することを企画した.本年度はSPUとの親和性と共通溶媒への溶解性に着目した高分子添加材としての新しいMPC重合体の合成と,MPC重合体を添加したSPU複合膜の特性について検討する.SPUとしてTecoflex 60(TF)を用いた.MPC重合体は対応するモノマーを溶媒に溶解し,AIBNを開始剤としたラジカル重合により合成した.TF及びMPC重合体を塩化メチレン/エタノール混合溶媒にそれぞれ溶解し,均一溶液とした.これを所定の割合で混合しテフロン皿中に流延,溶媒を揮散させることにより均一膜を得た.TFにPMEあるいはPMCを10wt%添加しても均一膜が作成できた.XPSの分析で,SM複合膜表面にリン原子に由来するピークが現れ表面にMPCユニットが存在していること及びPMCを用いると表面に比較的濃縮されて混合されていることがわかった.SM複合膜を水あるいは40%エタノール水溶液に浸漬してもMPC重合体の溶離は認められなかった.力学的特性をS-S曲線より判断すると,MPC重合体の複合化によってもTF膜と変化が認められない.PRPと接触した際の血小板の表面への粘着数はTF膜に比較してSM複合膜では著しい減少が観察された.以上の結果,MPC重合体を高分子添加材としてSPUと複合化することができ,SPUの問題点の一つである血液適合性の改善が可能と結論できた.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] R.Ishihara,S.Tanaka,N.Furukawa,K.Kurita,N.Nakabayashi: "Improved Blad Compatibility of Segmented Polyurethane by Polymeric additive Phospholipid Polar Group.1. Molecular Design and Their Function" J.Biomed.Mater.Res.30(印刷中). (1996)