レーザーフローグラフィーの定量化への実験研究

1996 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 07680947
• Research Institution: Kyushu Institute of Technology
• Principal Investigator: 藤居 仁 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (70133775)
• Keywords: レーザー応用計測 / 医用電子工学 / 血流計測 / 流れの可視化 / 画像処理

Research Abstract

前年度で使用した測定システムでは古いタイプのパソコンを利用していたために、解析時間が非常長くかかっていた。今回新しいパソコンを導入したので、システム全体を見直し、イメージセンサーからの画像データを連続記録するための高速大容量フレームメモリーと、インターフェース回路などのハードウェアを新たに製作した。さらに連続する二画面の相互相関関数を計算して、粒子像の移動量を求め、絶対速度として表示する計算ソフトウエア、および顕微鏡の倍率を考慮しながら測定結果をグラフィック画面に表示するソフトウエアを開発した。カエルの水掻きの血管網を拡大結像し、血球像の相関を解析して、血管内を流れる血流速度を測定し、このシステムが精度良く絶対流速を測定できることを確認した。またスペックルの時間変化を表わす新たな指標として、隣り合う二点の強度差の逆数(MBR値)を考案した。この指標の対速度特性を同じハードウエアを利用して調べ、これが血流速度の定量化と、高解像度化に際して非常に有効に利用できることを確認した。しかしこれらのシステムの変更に予想以上の時間を要し、従来のレーザーフローグラフィーとの比較実験が十分できなかったので、完全な変換テーブルを決定するまでは至らなかった。これは次年度において継続して行われ、動物実験を重ね、MBR値も含めて細かい修正、改良を行なって、レーザーフローグラフィーにおける絶対血流表示が、どの範囲まで実現できるかを確認する。

Research Products

• [Publications] 小西直樹,岡本兼児,藤居仁: "レーザーフローグラフィーにおける血流評価量の検討" 日本眼光学学会誌. 16・2. 74-78 (1995)
• [Publications] 岡本兼児,小西直樹,藤居仁: "イメージセンサと相関法を用いた血流計測" 第15回日本レーザー医学会大会論文集. 73-76 (1995)
• [Publications] 藤居仁,小西直樹,岡本兼児,山縣東昭: "Real Time Laser Flowgraphyによる血流実時間画像化の試み" 脈管学. 35・11. 1057-1060 (1995)
• [Publications] 藤居仁,小西直樹,岡本兼児,土橋良彦: "レーザースペックル法による眼循環測定" 新しい眼科. 13・6. 957-951 (1996)
• [Publications] 土橋良彦,小西直樹,藤居仁: "眼科用リアルタイムLSFGにおけるレーザー照射の改良" 第16回日本レーザー医学会大会論文集. 291-294 (1996)
• [Publications] Hitoshi Fujii,Naoki Konishi: "Visualization of Blood Flow Using Laser Speckle Method" Proc.18th Ann.Int.Cont.IEEE/BMES. (CD-ROM). 689- (1996)
• [Publications] 藤居仁,小西直樹: "レーザースペックルを利用した血流分布の可視化(印刷中)" 応用物理. 66・5. (1997)