医療工学材料設計開発のためのポリペプチドの構造機能解析と機能設計

1996 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 07680959
• Research Institution: Osaka Prefecture University
• Principal Investigator: 岡 勝仁 大阪府立大学, 先端科学研究所, 助教授 (70203966)
• Keywords: タンパク質 / ポリペプチド / コンホメーション / 分子力学計算 / ペプチド合成 / 円偏光二色性 / ヘリックス / 医療工学材料

Research Abstract

タンパク質分子の構造と機能の関連に着目し、医用生体工学、生体材料科学の分野における高機能性分子の設計開発の第一歩として、生体内における構造タンパク質として重要な働きをしているコラーゲン、エラスチンを始めとして、細胞接着活性、抗菌活性等を含めてじつに多様な分子機能を有するタンパク質として、近年そのアミノ酸配列が明らかになる中で大きくクローズアップされ始めた周期性タンパク質に着目して研究を遂行し、以下の成果を得た1)天然由来の周期性タンパク質、コラーゲン、エラスチン、バクテネシン、γ-ゼイン等における反復アミノ酸配列をモデル化した周期性ポリペプチドを対象として、分子力学計算によるコンホ-メション解析を試み、分子機能発現に結び付くと考えられる新しいヘリックス構造を形成することを明らかにした。さらに、アミノ酸置換によるヘリックス構造の安定性の変化について検討を加え、構造安定化に対する側鎖原子団の役割を明らかにした。2)理論的に予測した二次構造について,そのモデル周期性ポリペプチドについてのペプチド科学的手法による実験的解析を試みた。この中で、抗菌活性タンパク質バクテネシンについては、その理論的予測構造であるγ-ヘリックスを支持する分光学的実験結果を得るのに成功した。また,構造解析の困難な非周期タンパク質については,DNA結合タンパク質,および細胞接着性タンパク質の活性発現に重要な働きをしていると考えられるアミノ酸配列部分について,立体構造と分子機能の関連についての重要な知見を得た。3)また、天然由来の周期性タンパク質を越えた新しい種々の反復アミノ酸配列設計を行い、分子力学計算に基づく構造最適化によるコンホメーション解析を通じてアミノ酸配列と安定な基本骨格構造の対応関係についての有用な知見を得た。

Research Products

• [Publications] M. Oka, T. Hayashi: "Theoretical analysis on helical structures of poly (Ala-Pro-Xaa)" Reports of Progress Polymer Physics in Japan. 39. 549-552 (1996)
• [Publications] M. Oka, and T. Hayashi: "Theoretical analysis on the conformational preference of amino-acid residues." Reports of Progress Polymer Physics in Japan. 39. 553-556 (1996)
• [Publications] M. Kitamura, Y. Ishikawa, M. Oka, T. Hayashi: "Theoretical conformational analysis on model poly (hexapeptide) for repetitive portion of γ-zein from corn endosperm." Reports of Progress Polymer Physics in Japan. 39. 561-564 (1996)
• [Publications] K. Imai, I. Ohiso, M. Oka, N. NIshi, et al.: "Interaction of Tandem Repeat Sequence in RNA Polymerase II with DNA." Peptide Chemistry. 1996 (印刷中). (1997)
• [Publications] T. Niidome, H. Mihara, M. Oka, H. Aoyagi, et al.: "Structure and Function of Pro/Arg-rich Repeated Region in Antibiotic Bactenecin 5." Peptide Chemistry. 1996 (印刷中). (1997)
• [Publications] M. Kitamura, M. Oka, T. Hayashi, Y. Hirano, et al.: "Conformational Analysis Based on Molecular Mechanics Calculations of Model Poly (hexapeptide) for Repeptitive Portion of γ-Zein." Peptide Chemistry. 1996 (印刷中). (1997)