1995 Fiscal Year Annual Research Report
日本社会における気質概念の構造と観察された気質との関連性について
Project/Area Number |
07710100
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
高橋 義信 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (30226906)
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Keywords | 気質 / 信念 / 幼児 |
Research Abstract |
1.日本の母親の気質概念の構造と次元の解明:18か月児、36か月児の母親、それぞれ30名に面接し、自らの行動特徴を自らの言葉で自由に語ってもらった。その様子はテープレコーダで録音された。母親たちが述べた行動特徴を45項目にまとめ、その項目を印刷した質問氏を、面接したのとは異なる18か月児、36か月児の母親それぞれ300名、合計600名に配布した。各母親は質問紙の項目が自分の子供にどの程度当てはまるかを7段階で評定した。評定結果に因子分析を行ったところ、Shwarb et al.(1994)とほぼ一致する結果を得た。気質概念は文化特有の概念と文化を越えて共通する概念から構成されるようだ。 2.行動観察による気質の測定:質問紙に記入してくれた18か月児、36か月児の母親の中からそれぞれ15名づつ実験室に来てもらい、Goldsmith&Rothbartの考案したLaboratory Temperament Assessment Batteryに従って、子供の気質を測定するため行動観察やテストを行った。恐れや怒りに関連した行動に大きな個人差がみられた。 3.気質に関する母親の知覚と実験室で測定された気質との関連性:質問紙の評定と実験室で測定された気質との相関を調べたが、全体としては中程度の関連がみられた。しかし、恐れや怒りと行った社会的にみて好ましくないとされる気質次元に関してはかなり高い相関が見られた。母親の子供の気質に関する知覚はかなり正確なものといえるだろう。
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