1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07710301
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
鈴木 健一 茨城大学, 人文学部, 助教授 (90206475)
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Keywords | 契沖 / 国学 / 古典学 |
Research Abstract |
手許にある『契沖全集』所収以外の関連資料についても読解を試みるべく、各地図書館や円珠庵への調査と紙焼き本の作成をしつつ、その著述全体について読解を行なった。 読解に際しては、『万葉代匠記』『古今余材抄』『勢語臆断』『源註拾遺』『百人一首改観抄』の古典批評を中心とし、『和字正濫抄』『勝地吐懐編』『漫吟集』『河社』など他の著述、また他にも収集した関連資料について、さまざまな角度から種々のデータを拾いだすことができた。特に、万葉、古今、百人一首、伊勢、源氏などの各場面また全体に対して、契沖がどのような見解を述べているか、そのことがその注釈史上どのように意味があるのか、について、さまざまな場面や語句を拾い出した。その意味を考えることによって、それへの作品論となると同時に契沖の注釈史上の独自性を究めていくというような過程が辿れれば、かなり魅力的な展望を得られるであろう。今後その点についても模索していきたい。また、もうひとつの観点として、注釈等に引用された仏典等の出典調査も行なった。その結果、契沖の僧侶としての人生において、いかに語学・文学と仏教が有機的に関わり合ったかを論証するための個別的なデータも種々得ることができた。今後はそれを論理的に構成していくことにつとめることで、契沖像の総合的な把握を行ない、そこから近世的な実証精神のありようを抽出することへと繋げていきたい。
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