1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07720034
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
水町 勇一郎 東北大学, 法学部, 助教授 (20239255)
|
Keywords | 非典型雇用 / フランス法 / ドイツ法 |
Research Abstract |
フランス、ドイツおよび日本の非典型雇用法制(特にパートタイム労働法制)およびその背景にある社会・経済システムに関して、幅広く文献・資料を収集し、その分析・整理を行った結果、以下のような知見が得られるに至った。 1,パートタイム労働者には、短時間労働者としての側面と非正規従業員としての側面が混在しているため、比較法研究を行うえうでは、この短時間性と非正規性とを峻別して分析・検討することが重要であること。 2,フランスおよびドイツの非典型雇用法制は、典型雇用と非典型雇用に対して中立的な規整(中立規整)と非典型雇用を特別に保護ないし規制する規整(特別規整)とを合わせもっており、特に後者(特別規整)は、その政策的必要性と波及効果(反作用)とを衡量して法定されたものであること。 3,短時間性と非正規性(上記1)、および、中立規整と特別規整(上記2)の峻別という視点から、フランスおよびドイツの非典型雇用法制を個別に分析・検討していくことにより、日本の非典型雇用法制(労働法、社会保障法、税法)の制度設計に対して多くの具体的な示唆が得られること。 以上の研究の成果をまとめて公表すること、および、欧州に留学しさらに実証的に比較研究を行うことが、今後に残された課題である。
|