1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07730023
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
平林 一隆 東北大学, 経済学部, 助手 (80261486)
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Keywords | 産業廃棄物 / 産業廃棄物処分場 / 地域環境 |
Research Abstract |
本研究の目的は、産業廃棄物処分場設置の具体的事例に即して、廃棄物処分場が地域社会や生活環境にいかなる影響を与えているのかを調査し、今後の処分場のあり方を考察しようとするものである。本年度の研究では、以下の具体的事例の考察をすすめた。 まず、宮城県丸森町耕野地区の産業廃棄物最終処分場建設計画の事例では、設置計画の調査把握、設置計画に対する業者、行政、住民の対応に関する経過調査、裁判記録の調査を行った。宮城県川崎町本砂金地区の産業廃棄物最終処分場建設計画の事例では、設置計画の調査把握、設置計画に対する業者、行政、住民の対応に関する経過調査を行った。さらに宮城県外では、福岡県宗像市の産業廃棄物焼却炉建設計画、岐阜県瑞浪市の産業廃棄物中間処理施設建設計画、福岡県上陽町の産業廃棄物処理施設建設計画、北海道釧路市の産業廃棄物処理施設建設計画、山形県米沢市の産業廃棄物最終処分場建設計画をとり上げた。これらの地域においては、廃棄物処分場の設置をめぐる地域住民反対運動の動きを中心に、設置処分場の形態、計画の進行、住民の対応、行政の対応を概観できる調査を行った。また、関連文献目録のデータベース化については、『環境と公害』誌および『経済学文献季報』を中心に、24項目の大分類をもうけ整理した。 以上の調査の結果、現段階で考察される産業廃棄物最終処分場の設置に関する問題点は、(1)行政が業者に許可を与える上での法的な問題、(2)行政、業者が建設計画を進める上での住民との話し合いの問題、(3)処分場そのものの安全基準の問題、(4)廃棄物処分を広域化させている社会的な産業の立地および経済構造の問題、等が合わさり生じていることがわかるが、今後さらに多くの事例をとり上げ、詳細に問題を分析する必要がある。
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Research Products
(1 results)