1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07740004
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
梶原 健 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00250663)
|
Keywords | 半安定曲線 / 一般ヤコビ多様体 / コンパクト化 / 対数構造 / 対数スキーム |
Research Abstract |
一般の半安定曲線の一般ヤコビ多様体のコンパクト化は対数構造を乗法群で割った層を係数とするコホモロジー群の消滅を示すことにより、博士論文で用いた手法で同様に構成することができた。半安定曲線族の一般ヤコビ多様体のコンパクト化は、対数的に滑らかな多様体の無限小持ちあげの性質と形式的対数スキームの代数化の理論の研究から構成が可能であり現在この方針で進行中である。 退化アーベル多様体のマンフォードの構成の対数スキームへの一般化を、自然な有限性を満たす対数スキームに対して与えた。この定式化の応用として、階数の高い対数構造を持つ点上の半安定曲線の一般ヤコビ多様体のコンパクト化の構成を現在研究中である。さらに、ここでのコンパクト化と,高次元の底空間上の半安定曲線族の退化として実際に現れるものとの関係も重要な問題であり今後の課題である。 トーリック多様体のトーラスの作用で不変な有効Cartier因子を用いてDavid Cox氏の斉次座標環を定式化し直すことにより、射影多様体に関係した様々な概念をトーリック多様体に拡張する基礎を作った。一つの応用として、代数多様体から射影的あるいは単体的トーリック多様体への射を、トーリック多様体の斉次座標環を用いて扇から定まるデータで具体的に書き下した。これは、Cox氏の仕事の一般化でもある。また、代数多様体上の有理曲線を数えあげることにより、ミラーシンメトリーや量子コホモロジー論に応用すること、トーリック多様体への埋め込みの判定、形式的対数スキームの代数化への応用などが今後の研究課題である。
|