1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07740006
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
三河 寛 筑波大学, 数学系, 助手 (10219602)
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Keywords | 解析的整数論 / 素数 |
Research Abstract |
素数論においてゼータ関数の果たす役割は深刻なものであるが、加法的問題に対しては無力である。一方、篩の手法はほとんどの古典的問題に対して有効である。また、ゼータ関数を調べる際には従来から篩が用いられてきたけれども現今では逆に篩を中心に据えてその中にゼータ関数を組込むようになっている。篩の手法における巨大な壁はパリティ現象と呼ばれてるものであり、この地点で一般論は停止する。もとより数論は一般化を指向したりはしないからある古典的問題に関してのみパリティ現象を解消しようとして解析的および代数的手段を援用するのが最近の手法である。 ごく最近、片側のパリティを消す重みを導入すれば既知の援用手段無しで同等の効果を生み出せることに気付いた。実際、この着想はゴールドバッハ問題等の複数の素数が影響し合うような問題に対してはスイッチング原理が働らくが故にかなり有効である。また、単独の素数の分布状況に関する問題に対しては、あまり良い手法とは言えなかったけれども、組合わせ論的議論を加えることによってこの欠点を除けることがわかった。
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