1995 Fiscal Year Annual Research Report
強擬凸領域のBergman核に現われる大域的双正則不変量
Project/Area Number |
07740104
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平地 健吾 大阪大学, 理学部, 助手 (60218790)
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Keywords | ベルグマン核 / 漸近展開 / 強擬凸領域 / 双正則不変量 / CR不変量 / 放物型不変式論 |
Research Abstract |
この研究の目標は強擬凸領域におけるベルグマン核の漸近展開から領域の大域的双正則不変量を構成することであった.研究の第一段階では漸近展開の-1次の係数の境界上での積分が大域的双正則不変量を与えることを示し,さらにこの積分がホモトピー不変,すなわち強擬凸領域の滑らか等変形に関して一定,であることを証明した.この証明には柏原によるベルグマン核の超局所解析の理論を用いた. 柏原の理論を用いて積分不変量の値を評価することは困難である.そこで研究の第二段階ではこの積分不変量の具体例での計算を試みた.まず被積分関数であるベルグマン核の展開の係数を境界の田中-ウエブスター曲率を用いて表示した.この表示を積分することにより任意の2次元領域,およびケーラー多様体上の円盤束として与えられる3次元領域では積分不変量が0であることを示した.不変量が0にならない例の構成を目標としていたが,今のところそのような例は見つかっていない. さらに一般の領域で積分不変量を計算するには被積分関数をより単純な形で表示する必要がある.そのために第三段階ではベルグマン核の不変式論の応用を考えた.フェッファーマン等によって開発された放物型不変式論をもちいれば,ベルグマン核の漸近展開の係数を領域に付随するローレンツ計量の曲率のワイル不変式として表すことができる.被積分関数に対してこの手続きを実行し,ワイル不変式の具体的に書き下した.この表示は被積分関数と局所双正則不変量の具体的な関係を与えている.ワイル不変式の境界積分を計算する(評価する)のが今後の課題である.
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Research Products
(1 results)