1995 Fiscal Year Annual Research Report
相対論的ハイパー核生成のための高分解能磁気分光器の設計研究
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07740230
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Research Institution | National Laboratory for High Energy Physics |
Principal Investigator |
野海 博之 高エネルギー物理学研究所, 加速器第一, 助手 (10222192)
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Keywords | 高エネルギー核ビーム / 相対論的ハイパー核 / コアレッセンスモデル / projectile hyperfragment / ハイパー核ビームライン / ハイパー核の弱崩壊 / ハイパー核の磁気能率 |
Research Abstract |
本研究の目的は、高エネルギー核ビームを用いて相対論的ハイパー核を生成するためのビームラインを設計し、相対論的ハイパー核の性質を活かした特色あるハイパー核の研究に貢献することである。実施された研究の内容は次のように分けることができる。 (1)相対論的ハイパー核の生成とその運動学的性質 (2)相対論的ハイパー核の分離と磁気光学系 (3)ハイパー核の同定のための検出器系 (4)関連するハイパー核の性質の研究 (1)について、核子あたり数GeVから20数GeV程度の高エネルギー核ビームによる原子核-原子核反応において生成されるハイパー核の生成断面積はコアレッセンスモデルを用いて計算できる。本研究ではこのモデルの描像に立脚して生成される相対論的ハイパー核およびbackgroundとなりうる原子核破砕片の運動学をシミュレーションする計算機コードを開発しそれらの運動学的性質について検討した。明らかにされた性質をもとに(2)の相対論的ハイパー核を分離するための磁気光学系について検討した。運動量が揃っているprojectile hyperfragmentsに関して、適当な強度の磁場と適当な長さのコリメータで構成されるハイパー核ビームラインが有効であった。(3)のハイパー核の同定は、弱崩壊したハイパー核の崩壊生成粒子の運動学的性質から親核であるハイパー核の質量を再構成することでなされる。ビームラインを通過してくる粒子(原子核)のなかにあってハイパー核の崩壊は約176MeVのエネルギーの解放を伴うので極めて特徴的である。こうした特性をふまえた検出器系の設計を行った。(4)について、相対論的ハイパー核を用いて研究されるべき物理について検討が行われた。おもに関連するものとしてハイパー核の弱崩壊に関する研究や将来計画における実験研究として立案されたハイパー核の磁気能率の研究などがあげられよう。 以上の研究はそれぞれ研究会、学会、国際会議等で発表されたり、そのうち一部は別にしめしたように論文としてまとめられた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 野海博之: "STUDY OF HYPERNUCLEAR MAGNETIC MOMENT AT KEK" Proceedings of the Workshop of KAON-Nuclear Physics Part-. 35-45 (1995)
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[Publications] 野海博之 他: "Hypernuclear Weak decay of 12C and 11B" PHYSICAL REVIEN C. 52. 2936-2945 (1995)
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[Publications] 野海博之 他: "MEASUREMENT OF 5He WEAK DECAY BRANCHING RATIOS" Proceedings of the IV International Symposium on Weak and Electromagnetic Interactions in Nuclei. 550-553 (1995)