1995 Fiscal Year Annual Research Report
グラファイト状化合物BCNとその層間化合物の電子構造・電子分布の第一原理的計算
Project/Area Number |
07740235
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
水野 誠司 北海道大学, 工学部, 講師 (90222322)
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Keywords | グラファイト状化合物 / バンド構造 / 層状物質 / 第一原理計算 |
Research Abstract |
グラファイト状化合物の中で最も簡単な構造を持つBC_3,BC_2N,C_3NのそれぞれのmonolayerおよびA-A stacking のBC_33次元結晶に対して、第一原理からのセルフコンシステントなバンド計算を行った。手法は、密度汎関数法に基づく数値基底を用いたLCAO法で、局所密度近似の範囲内で行った。これらの物質の面内構造は、よくわかっていないが、ここでは単位胞が最も小さくなるような構造を選んだ。また、電子分布の計算、特に、フェルミ準位近傍の状態(π状態)の電子分布の計算を行い、一連のグラファイト状化合物のπ電子の分布の様子を比較した。計算結果によると、これらの物質のmonolayerは半導体となるが、A-A stacking のBC_33次元結晶はc軸方向の分散により金属となる。また、電荷移動の量の見積りも行い、Bはドナー、Nはアクセブターとして働くことを定量的に示した。さらに、価電子分布の計算によって以下のことが明らかになった。BC_3におていは、炭素どうしが共有結合によって結合した6角形のリングをつくり、それがホウ素と弱い共有結合で結び付いている。一方、C_3Nにおいては、炭素リングは窒素原子と強く結合していて、蜂の巣格子を形成している。BC_2Nにおいては、これらの中間的な特徴を持っていて、炭素と窒素が6角形のリングを作りそれがBと弱く結合している。また、今後の研究として、BC_3,BC_2N,C_3Nの層間にカリウムをインターカレートして合成される層間化合物に対して、上記の計算手法を用いてセルフコンシステントなバンド計算を実行することを予定している。そこで得られたバンド構造を、母結晶のバンド構造と比較することにより、インターカレーションの影響が電子構造にどのように反映されるかを調べる予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.Mizuno: "Electronic states of graphitic heterocompounds of carbon,boron and nitrogen" Synthetic Metals. 71. 1869-1870 (1995)
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[Publications] S.Higai: "Electronic Structures of Potassium-Oxygen-Graphite Ternary Intercalation Compounds" J.Phys.Chem.Solids. 発表予定. (1996)