1995 Fiscal Year Annual Research Report
大強度相対論的電子ビームによって生じるラングミュア乱流の可視化
Project/Area Number |
07740350
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
安藤 利得 金沢大学, 理学部, 講師 (80212679)
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Keywords | ラングミュア乱流 / 可視化 / 電子ビームの散乱 |
Research Abstract |
本研究ではプラズマの乱流状態をより捉えやすくするために、乱流の可視化の原理実験を行う。 計画案では本来レーザーを用いることを予定していた。これはシュリーレン法を用いるものであるが、今回、我々のプラズマへの応用を検討した結果、考えていたレーザーの光では十分な屈折を得ることができず、また、たとえ適当な周波数を用いてもプラズマの屈折率の特殊性から本研究に必要な分解能を得ることは困難でありそうであった。 そこで研究の方針を変更し、光の代わりに電子ビームを用いる方法を選んだ。電子はプラズマ中の電場を直接感じて必要な屈折率を得ることができるというのが発案の理由である。まず、プローブ電子が対象となるプラズマを通過してくること、散乱が大き過ぎないことなどを計算で確認した。そこでは分光的に得られている測定値を念頭に、局所的な強い電場(9MV/m)が、背後の比較的弱い電場中(0.7MV/m)に散在していることを仮定した。これはキャビトンが背後のプラズマ中に散在するだろうことに対応する。その結果から、局所電場によって強く散乱が起こり、その際、電場軸方向に強く、垂直方向にはほとんど散乱されないことが分かった。プローブ電子のエネルギーについては10keV以上あればバックグランドを通過することが可能であり、軸方向には6〜8keV、垂直方向には0.4〜0.6keVの散乱が予想された。これから考察すれば、適当な配置に於いて最低でも強い電場の空間的分布が得られるだろうこと、また、これまで得られていない乱流電場の方向を測定できると考えられる。 目的とする乱流電場の可視化のためには2次元的な情報が必要となるが、いろいろな制約から、今回は必要な基礎的な情報を得るための実験と位置づけし、まずビームの通過特性を調べている。そのため、採用したビーム径はそれほど大きくはない。現在のところビーム光学系の調節を行っている。
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