1995 Fiscal Year Annual Research Report
新しい基本骨格を有する人工受容体の合成と核酸塩基認識能
Project/Area Number |
07740498
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
廣瀬 敬治 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (10252628)
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Keywords | 人工受容体 / 超分子 / ホスト / フェノール / 酸性ホスト / 錯安定度定数 / 分子認識 / 生体関連 |
Research Abstract |
本研究課題においては、新しい基本骨格を有する人工受容体の創出を目的とし、1,3,5-tris(2-hydroxy1-5-methylphenyl)benzene(1)および1,2,4-tris(2-hydroxy1-5-methylphenyl)benzene(2)の全合成および人工受容体としての性質を調べることを本年度の具体的な目標として設定した。 実施計画には(1)受容体1の合成ルートの探索、(2)このルートの化合物2の合成への応用、(3)受容体1および2の人工受容体としての性質調査の三段階で研究推進するよう計画した。15EA03:現在までの実施状況を(1)〜(3)の各段階ごとに報告する。 (1)受容体1の合成ルートとして、トリブロモベンゼンと三等量のクレゾール誘導体とのクロスカップリング反応を経るルートが効率的であることを見いだし、人工受容体としての性質調査に十分な量の受容体1を合成した。 (2)つぎに(1)で見いだしたルートを受容体2の合成へ応用したところ、合成収率は低いながらも2の合成にした。 (3)人工受容体としての性質調査に関しては、有機分子として1,3,5-triazineおよび1,3,5-tri(2-pyridyl)triazineを基質に用いた錯体形成をおこなった。各々の錯体の化学量論および錯安定度定数の測定およびデータ解析をおこない、受容体1が1,3,5-triazineとは1:1錯体を形成するのに対して1,3,5-tri(2-pyridyl)triazineとは2:1錯体を形成することを見いだした。 以上の結果は本年の日本化学会年会で報告予定である。尚、人工受容体による分子認識に関連した研究論文の内、本年度中に成果報告した論文としては、光学活性な人工受容体を用いた不斉認識に関する論文が二報ある。今後は核酸塩基等の生体関連物質の認識へ研究展開をはかる予定である。
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[Publications] K.Naemura,M.Asada,K.Hirose,and Y.Tobe: "Preparation and Enantiomer Recognition of Chiral Azophanolic Crorn Ethers Having three Chiral Barriers on each of the Homotopie Faces" Tetrahedron:Asgmmetry. 6. 1873-1876 (1995)
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[Publications] K.Naemura,K.Ueno,S.Takeuchi,K.Hirose,Y.Tobe,T.Kaneda and Y.Sakata: "Preparation and Erantiomer Recognition heheyiour of azophenolic croron etlhers contqiuiy cis-1-Phayl-1,i-iyelchexane-1,2-diol as the chiol Subunit and 2.4-dinitro playl azoqhenol as the chromophore" J.Chem,Soc,Perkin Trane 1. 383-388 (1996)